「鏡藍先生こんにちは」
「ああ、こんにちは」
「猫市ちゃんは?」
「いつもの場所だ」
保健医の鏡藍先生と軽い挨拶を交わしてから、カルラはカーテンの閉められたベッドへ向かう。
「猫市ちゃーん、ノート持って来たよー……お。」
声をかけてカーテンを開けると、丸く盛り上がった布団があった。
「何してるの」
捲って暴いてやろうと、ベッドへ近寄る。
布団に手をかけたところで、もぞりと動いて、猫市が中から飛び出してきた。
「ひっかかったー!」
「うわぁわわっぇえええッ!?」
がばっと大きく広げられた腕。
カルラは目を白黒させたまま猫市に抱きつかれて、ベッドに転がった。そのまま布団の中に引きずり込まれる。
「わ、ちょっ、ちょっと」
「上履きは脱いでねー」
床にころりと靴が転がる。
ベッドはふかふかで彼女の体温の名残で温かかった。
寝込んでいた筈の猫市ちゃんは元気そうに、いたずらっぽい表情を浮かべて、カルラの腰の上に跨体重をかけて乗った。
「えへへ、ビックリした?」
「すごく」
猫市ちゃんが目を輝かせて、私の上で喜ぶ。
カルラが戸惑って起き上がろうとするのを、猫市が肩を押して止めた。
「え。でも…」
気恥ずかしさに頬が染まる。
「いいから。ねぇ、カルラちゃん」
「何?」
「ニャンニャンしよう」
「へ?」
「だからこういうこと」
覆いかぶさるようにぎゅーと抱きつかれ、更に体の密着度と重みが増す。
「ええっ?」
柔らかな体を押し付けられた。
あまり人に密着されることに慣れてないカルラは赤面してしまい、慌てながらこれはどういう事だろうと考える。
猫市が言うニャンニャンの意味を吟味していると、猫市がカルラの体のあちこちを擽り始めた。
「!!」
カルラは身を竦ませていたずらな刺激に耐えていたが、ついに声を上げる。
「あ、やめ、猫市ちゃ、や、やあっストップ!」
猫市は面白がって止める訳なく。
手が太ももを撫で掠ってカルラは身を捩る。
擽りでも戯れでも駄目、それ以上は。
「こらぁ猫市ちゃん、もういいでしょ?」
「えーなんで?どうしたのカルラちゃん、顔真っ赤だよ」
確かに引っ付き合って擽りっこしてるだけで、本来赤面する理由なんてないのだけれど。
鏡藍先生が向こうに居る状況で変な声を上げたくない。
猫市ちゃんに聞かせるのも恥ずかしいからなんか嫌だ…。
「あれ、カルラちゃん擽ったいの苦手?」
「そ、そうじゃないけどー」
「じゃあ恥ずかしいの?可愛いー…」
猫市に揶揄されてカルラは反抗心を擽られる。
くそぅ受けてばかりは私らしくない。やりかえしてやる、と意気込んで、猫市の背中に腕を回し抱きしめ返して頬にキスを落とした。
「わかった、ほら、こうすればいいんでしょ?」
「うん。にゃんにゃん」
「にゃ、にゃんにゃん。」
じゃあはいお終い、と猫市を退かせようと彼女の制服の襟を掴んで上半身起き上がらせた。
その拍子に、セーラー服のV部分のボタンが外れる。白衣が肩からズレて猫市ちゃんの胸元が肌蹴見えた。
「ああっ!?」
「あちゃ、カルラちゃんひどーい」
そんな心算はなかったのに、これでは、これではまるで…
思わず声を上げたカルラ。その声は思いの外大きかったらしく。
「何だ先ほどから騒がし…!?」
タイミング悪く、鏡藍先生が顔を覗かせる。
ぐちゃぐちゃなシーツ、猫市の下で赤い顔のカルラ、腰の上に跨って乱れた衣服の猫市。
もちろん誤解されこっぴどく叱られたのを、隣のベッドで寝ていた真榊がニコニコと見ていた。
2011/01/07
放課後ニャンニャンタイム。
女の子のイチャつきっていいよね、まっちぃも参加すべきだよねェーーー。
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