シリーズ | ナノ 「なまえー、これ、あんたの分の年賀状」

お母さんから自分宛の年賀状を受け取る。1日は一日中ゴロゴロしてたから、チェックしてなかったんだっけ。まぁどっちにしても、今のご時世、メールやらLINEで挨拶してるから、年賀状は小学校の担任や、毎年くれる筆まめな友達、それと広告のやつくらいだ。あー今年は午年だっけ、なんて数枚しかないハガキをめくっていると、見覚えのない字で書かれた自分の名前。え?と思って送り先を見る。


「大坪泰介…って大坪?」


大坪とは、今年3年になって初めてクラスが一緒になって話すようになった。そう言えば、先月の頭くらいに住所きかれたっけ?律儀だなぁ。昨日既に届いていたっぽいってことは、クリスマスより前には書き終わってたってことでしょ?しかも、バスケ部って、クリスマスあたり試合じゃなかったっけ?うわぁ…、あたしなんてめんどくさいから来た人に返そうってスタンスなのに。

裏を見ると、もともと印刷してあっただろう謹賀新年の文字と馬のイラストの下のスペースに、大坪らしい力強い字で「今年も沢山話せたら嬉しい」とだけ書いてあった。文章としては短いけど、まさかの相手だし、あたしも思ってたことだったから本当に嬉しくて、思わずニヤニヤしてしまった。早く返事書かなくちゃ。



大坪泰介と1月2日


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