シリーズ | ナノ 清志誘って初詣にでも行こうと思って、清志ん家に行くと、清志はリビングのコタツに入ってスマホをいじってた。清志ん家に来るまでに冷えた身体を暖めようと、あたしもコタツに入る。


「あけおめ!」
「ことよろ。つーか、お前冷たい。入ってくんな」
「ひどい!外寒かったんだから仕方ないじゃん」
「コタツの温度下がんだろ」
「ちょっとくらい我慢してよ」
「お前が我慢しろ」
「うっわ、マジひどい。清志くんサイテー」
「黙れ」


コタツの中で足を蹴られた。ホントひどい。優しさはないのかコイツ。


「あ、ねーねー、清志ー」
「んーだよ」
「お年玉ちょーだい」
「あ?……ほらよ」
「みかんかーい」
「いらないなら食うな」
「うまい!」
「って既に食ってるし。それ、木村ん家の」
「まじか。さすがだなー」


まったりテレビ見ながら、コタツの上ににあったみかん食べてたら当初の目的を忘れるところだった。


「あ、そうそう。清志、初詣行こうよ」
「はー?めんどくせー」
「合格祈願しなきゃ」
「なまえと違って頭イイから大丈夫」
「うわー、落ちろ」
「は?ンなこと言ってるとお前が落ちっぞ」「やだなー、なんかリアル」
「合格祈願の前に勉強しろ」
「えー…。てかさ、清志はさっきからなんでずっとスマホいじってんの?あけおメール?」
「いや…」
「うわ、新年早々ギャルゲーアプリか」
「しょーがねーだろ、新年早々イベント始まってんだよ。今回のイベ限定カードは絶対欲しい」
「なにがしょーがないんだか。不健全だなー」
「るせーな」
「ちょ、みかん投げないでよ。木村に謝れ」



清志は木村さーせんとか適当なこと言いながら、アプリを閉じて、モソモソとコタツから出る。


「ん?どこ行くの?」
「は?初詣、行くんだろ?さっさと支度しろ」
「えーイベントいいの?」
「スタミナ切れた。回復待ち」
「なんだー」


あたし優先してくれたのかと思っちゃったよ。コートを着ながら「行かねーの?」と清志が切れかけながら言うから、「行く!行きます!」と、答えて、慌てて着て来たコートとマフラーで防寒する。


玄関を出て、清志が改めて「今年もよろしくな」とか言うから、ちょっと嬉しくなってニヤけたら頭叩かれた。


「ちょ!脳細胞死滅する!」
「既に絶滅してんだろ」
「ひど!」



宮地清志と1月1日

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