シリーズ | ナノ
「ちょっとなまえ、そろそろ起きなさい」
「んぅ〜…もうちょっと…」
意識の遠くで聞こえたジャーファルの声に返事をする。
ぬくぬくの布団があたしを引き留めたからだ。
せっかくの日曜だし、もう少しだけ。
しかし、次のジャーファルの衝撃の言葉にあたしは跳ね起きた。
「なまえ、もう12時ですよ」
「うん…、ん?12時?!」
「はい」
「えーっ!!なんでもっと早く起こしてくれなかったの?」
「…8時から1時間ごとに起こしました」
「うっ…」
「今日も水族館はなしですね」
「ごめんー…」
だいぶ前から約束していた水族館は、ジャーファルに急な予定が入ったり、あたしの寝坊だったり、寝坊だったり、寝坊だったりで、延期の連続だった。
ジャーファルは仕方無いですね、と溜め息をつきながら、あたしの布団を引き剥がした。
「とりあえずちゃんと起きて。昼食にしましょう」
そう言えばお腹すいた。
「はーい」
あたしは素直に返事しながら、今日は水族館の代わりに何をしようか考えた。
平和すぎる日曜日