ネタ | ナノ
彼氏が欲しい。

いや、彼氏なんて大それたもんじゃなくていい。好きな人が欲しい。

恋愛をしたい。恋をしたい。キラキラしたい。


ただ、それだけだった。




「うーん、じゃあさ、宮地くんは?」
「宮地?」


昼休み、教室でお弁当を食べながら恋愛ケーケン豊富な今も彼氏がいる友達に相談してみた。

彼女はパックの野菜ジュースのストローをくわえながら、窓際でバスケ部の面々とお弁当を囲むクラスメイトに目線をやる。


「イケメンなのに、彼女いないらしいよ」
「理想高いんじゃん?」
「別に彼女にならなくていいなら、見てるだけなら出来るだけイケメンの方がいいでしょ?」
「まぁ…」


ぶっちゃけ、宮地は顔も好みだし、身長高いとことか運動部なとこもタイプだし、良いかも知れない。


「じゃ、あたし、宮地好きなことにする!」
「ん、よくわかんないけど頑張って」
「うん」


とりあえず好きな人が決まって満足するあたしに友達は


「だいたい名前はなんで好きな人が欲しかったの?彼氏じゃなくて」
「だって片想いが1番楽しいって言うし、恋をするとキレイになれるんでしょ?」
「うーん…、まぁ名前がいいんならいいや」


あたしはまだ気付いていなかった。

恋に恋してただけ、ってことに。



誰でもいいから
夢を見させて




――――――
こんな感じで宮地をどんどん好きになっちゃう。

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