先輩と | ナノ

秀徳高校は何校目かの高校見学だったので、友達とイケメンいないかな、なんて話しながら、割とグタグタしていた。中学校別に分けられた班ごとで、廊下に面した窓やドアを全て外した状態の授業中の教室を廊下から覗きながら歩く。2年生が数学の授業をしていて、その黒板には謎の数字と記号の羅列。やっぱ、秀徳の授業、難しそう。そんなことを思っていたら、その授業で何人か生徒が指名されて、黒板に書かれていた問題を解くように言われていた。出来た生徒から黒板に書き込んでいくみたいだ。初めに立ち上がったのは、髪色の明るい長身の男子生徒だった。色々書き込まれたノートを片手に黒板に向かう。その横顔を見て、友達を見ると、彼女も同じ事を思ったようだ。


「今の人イケメンじゃね?」
「しかも高身長!やばくね?」


とか、騒いでいたら、引率の先生に「見学中は静かに」とたしなめられた。すいませーん、なんて言いながらもう一度、イケメンを拝む。解答を書き写し終えて、席に戻るところだった。そのとき、目が合って、うお、と思ってると、口パクで「うるせーぞ」と言って、ニヤっと笑った。いや、うるせーよ、かもしれない。あたしたちの会話、聞こえていたんだろーか。なんだか一気に恥ずかしくなって、顔が熱くなる。友達を見たら、気付いてないらしく、別の人を見ながらあの先輩もなかなか!とか言ってる。次にまたイケメンを見たら、既に席に座っていた。まだ、心臓がバクバク言っている。なんだ、あのイケメンやばい。


これが、イケメン改め、宮地さんとのファーストコンタクトだった。

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