先輩と | ナノ

晴れ渡る5月の空。今日は秀徳高校の体育祭だ。あたしは学校行事は嫌いじゃない。むしろ、窮屈な教室で授業を受けるよりよっぽど好きだ。でも、今日はテンションが上がらない重大な理由があった。クラスごとに割り振られたチームが、宮地先輩のクラスと違うチームだったのだ!


「おーい、みょうじー」
「あ、高尾…」
「まーだ落ち込んでんの?もう本番だぜ?」
「本番だろうが、練習だろうが、宮地先輩と違うチームなのは変わらないじゃんかー」
「いい加減諦めろよ…。緑間も今日のラッキーカラーは白じゃないのだよ!とか言ってっしよー」
「うう…」


あたしたちのクラスは白軍。認めたくなくて配布されたハチマキはまだ頭に巻けずにいる。

そんな話をグダグダ高尾としていると、なんと向こうから宮地先輩たちが!しかも宮地先輩たちは高尾に用があるのかだんだん近づいてくる。慌てて物陰に隠れるあたしを高尾ぎ呆れた顔で見てくるが知ったこっちゃない。


「おー、高尾。お前白軍か」
「宮地さん、木村さん」
「大坪も白じゃなかったっけ?」
「いや、大坪さん黒でしたよ。緑間が羨ましがってたので」
「は?なんで緑間が羨ましがるんだよ」
「あー、緑間の今日のラッキーアイテムが黒い頭に身に付けるものらしくて」
「緑間、高尾と同じクラスなんだっけ?」
「つーか、またラッキーアイテムかよ!」
「あいつ一回締めようぜ。いちいち突っ込むのもめんどくせえ」
「宮地さんたちは…青なんすね…」


そう!宮地先輩たちのクラスは青軍。あー青軍の人、本当羨ましい!せめて今だけでも宮地先輩体育祭バージョンを堪能しようと、体育祭のパネルの陰からそっと先輩たちと高尾の様子を伺う。宮地先輩はハチマキを輪にして首から下げ、ネクタイみたいにしている。あーカッコイイ。あたしも真似しよう。…それにしても宮地先輩とよく一緒にいる坊主先輩(高尾は木村さんって呼んでたな…)、ハチマキ似合いすぎ!


「なんで俺たちが青軍だからってお前に嫌な顔されなきゃいけねぇんだよ」
「まさかお前までラッキーアイテムがどうとか言わねえよな?」
「いやいや!違いますけど、まぁ色々あって」
「はあ?ほんと今年の一年は意味わかんねぇな」
「俺の所為じゃないっすよ…」


あー、高尾なんかごめん。


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珍しく続く。

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