雑用係 | ナノ
白澤様のお使いに行ったという桃太郎さんにいつ会えるかわからなかったので、先に地獄の人たちに渡そうと思った帰り道の途中、運良くお使い帰りの桃太郎さんと鉢合わせた。
「あ、桃太郎さん。お帰りなさい」
「蕃茄さん、こんにちは。白澤様に用があったんですか?」
「半分正解」
「半分?」
「桃太郎さんにも、はい」
「え?なんですかコレ」
「あ、」
そういえば桃太郎さんって昔の人だからバレンタインってわからないんじゃ…?そう思ったあたしは、ざっくりとバレンタインについて説明した。
「まぁそしてそれは義理チョコってやつなんですけどね」
「いやいや、貰えただけで十分ですよ!ありがとうございます」
「どーいたしまして」
(やっぱ桃太郎さんは、ツンドラ上司ともセクハラ神獣とも違って素直でいいなー)
と、勝手にほっこりしているところに、桃太郎さんの爆弾発言。
「ところで"本命チョコ"は誰に渡したんですか?」
桃太郎×バレンタイン
(別に絶対あげる制度じゃないし!)
(てっきり鬼灯さんか白澤様かと…)
(ないない…)
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