流星群 | ナノ




とりあえず自分の教室に戻って帰る支度をしていると、廊下をバタバタと走ってこっちに向かってくる音が聞こえてきた。宮地だ。


「宮地くーん、廊下は走らなーい」
「うっせー、帰るぞ」
「はいはい、…って、宮地部活は?」
「もう切り上げてきた」
「いいの?」
「自主練日のノルマは終わってっから」


さすが秀徳のバスケ部、自主練でもノルマとかあるんだ。いつの間にか着替えてた宮地について玄関へ向かう。汗だくの宮地は学ランを鞄と一緒に抱えていて、ワイシャツ姿だった。汗で背中にワイシャツが張り付いてて、気持ち悪くないのかな。


毎回靴ひもを結び直す派なのか、たまたま緩くて結び直してるのかわからないけど、宮地が靴ひもを結び直しているのを待ってる間に、ふと疑問が浮かぶ。何故、一緒に帰る流れなのか。それに、宮地ん家ってどこ?あたしん家と逆で、校門出た途端バイバイとかだったら全くなんの冗談なんだ。


「ねぇ、宮地ん家ってどこ?」
「あー?何処でもいいだろ」
「いやいやいや、」
「いーから」


そう言いながら宮地は立ち上がって、スタスタ歩いて行くが、何がいいのか全然わからない。超重要だと思うけど。


案の定、あたしん家は校門出たら右に曲がるのに、宮地は左へ向かう。


「あ、バイバイ」
「バイバイじゃねーよ、お前もこっち来い」
「あたしん家、右行くんだけど…」
「俺ん家も右だよ」


ますます意味がわからないけど、まぁ暇だし。たまにはこんな日があっていいのかな。

…いいのか?





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