ごちゃごちゃごちゃ | ナノ
珍しく海中ではなくて、海面を航海中の海賊船の、見張り台の上。
シャチは久しぶりの太陽を目一杯浴びようと、自ら見張りをかって出ていた。
春島が近いからか、ぽかぽかの陽気が眠気を誘う。

見張りなのについ、うとうとしていると、狭い見張り台の上に騒がしい人物が登ってきた。


「ちょ、シャチ!匿って!」
「なまえ…、またなんかしたのかよ」


うっかり眠りそうになったのをごまかしながら、なまえの為のスペースを空ける。その隙間に入り込んだなまえが答える前に、怒声が耳に入り込んだ。


「なまえっ!あの野郎、どこ行きやがった!」


なんと我らが船長がお怒りのようだ。


「本当になにしたの?」
「ベポとおいかけっこしてたら、うっかり医学書抱えた船長とぶつかっちゃって…」
「まさか」
「医学書、海に落としちゃった」
「……」
「でもさ、船長も酷いんだよ?あたしだって能力者なのに、海に飛び込んでとってこいとかさー」
「いや、普通にお前が悪いだろ」
「シャチのくせに酷い!ペンギンと同じこと言うなよ!」
「本当のことじゃん!」


わーわー言い合っていれば、当然ローの耳にも届いたようで…


「見張り台にいるんだな?!シャチ!なまえ捕まえとけ!!」
「船長ー!シャチ、見張りのくせに、こんなとこで昼寝しよーとしてましたー!」
「え?バレてたの?」
「わかんないわけないじゃん」
「よし、わかった。てめぇらまとめてシャンブルズしてやる。気を楽にして待ってろ」
「えー!」
「ちょっと船長待ってください!」
「"ROOM"…」
「「ぎゃー!!!」」



ハートの日常
(なまえもさっさと謝ればよかったのにな、なぁベポ)
(ペンギン、もしかしておれも謝った方がよかったかな?)
(ベポは悪くないだろ。…まぁ結果としてシャチの居眠りも発覚したし、これでよかったかもな)


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