ごちゃごちゃごちゃ | ナノ ※木村視点で、なまえは名前しか登場しません。
※宮地が気持ち悪いくらいドルオタ(ドルオタに偏見があるわけでは無いので悪しからず)。





「はぁー…」


部活が終わり自主練も終わって、そろそろ帰ろうぜ、と最後まで残って練習していた何人かで片付けをし、部室に戻って来た。
着替えながら、何度も大袈裟に溜息を吐く宮地はらしくなく、俺に話を聞いて欲しそうにしていた。
だが、宮地がこういう態度のときは、決まってアイドルがなんだ、推しメンがなんだとか、そういう話だ。俺はアイドルとか詳しくないし、めんどくさいことはお断りだ。
無視して着替えを終えて帰ってしまおう。

そう、思ったのに。


「なぁー、木村ぁ」


名前を出されては、流石に無視は出来ない。あー、ここに大坪がいれば、押し付けるんだけど。
あ、それに、もしかしたらアイドルとか全然関係無い、真面目な話かもしれないな!


「…さっきからどうしたんだよ」
「俺はさー、みゆみゆが」


はい、やっぱりアイドルでしたー!

マジでこいつの頭ん中、バスケとアイドルしか無いのか?
それでも頭めっちゃいいんだよなー、どーなってんだろ、脳内。一回中身見せてくんねぇかなぁ…。


「おい!きいてんのか?」
「あ、悪りぃ。考え事してたわ」
「っお前なぁ…!みゆみゆの話を無視出来るとはいい度胸だな」


みゆみゆの話じゃなくて、お前の話だろ?
宮地はアイドルの話さえしなければ、真面目で誠実で良い奴だ。だからなおさら残念におもうのだが、アイドルの話を出しただけでどうしてこうも意味わからんやつになれるのか。
アイドルって怖ぇー。まじで怖ぇー。


「だからさー、俺はみゆみゆ推しなんだよ!」
「知ってる」
「それなのにさー、…はぁーっ」
「だからさっきからなんなんだよ」

そして、宮地の口から出た言葉は本当に俺からしたらどうでも良くて。

「俺、みょうじのことが好きなのかも知れないんだけどさぁ」
「はぁ?」
「でも、みょうじはみゆみゆに似てないんだよ!おかしくね?」
「おかしくはないだろ」
「なんでだよ?みゆみゆだぞ?」
「いや、知らねぇけど。恋愛の好きとアイドルの好きは違うんじゃね?」
「そうかぁー?」
「…宮地さぁ、そんなこともわざわざ確認しなきゃわからねぇの?」

あー、本当アイドルって怖ぇー。

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