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どんより胸に広がる嫌な予感は、このことを示していたのかも知れない…。




夜明け前のシーラカンスは酸漿の灯る夢を見るか[第三話]魂(こころ)と肉体(からだ)



カラウリが連れてきた、上司らしい長身のイケメンは、あたしがまだ生きていて、魂だけがあの世をさ迷っている状態だと説明してくれた。しかし、然るべき方法をとっても魂が身体に戻らないので困っているらしい。


「え、まず、ここ地獄?」
「そうですよ。そしてここは閻魔殿です」
「…そっか閻魔様って地獄にいるんだっけ」


変なことに感心していると、カラウリが声を張り上げる。


「それより鬼灯様!なんでこいつは生き返らないんですか?」


すると、イケメン…改めホオズキ様は、

「もしかしたら、肉体の方に問題があるかもしれません。肉体が魂を受け入れられない状態、例えば、交通事故などで極端な肉体の損傷があれば、魂が戻ることを望んでも戻れないことがあります。」

と言った。じゃあ、


「肉体に問題がなければ?」
「死んでないことを思い込んだままか、本当に心から戻ることを願っていない、ということです」
「それは、ないと思いますけど…あたし、もう生き返れないんですか?」
「生き返りますよ。ただ…」
「ただ?」
「肉体と魂が離れている時間が長くなればなるほど、繋がりが薄くなり、帰れなくなることがあります」
「え…」
「タイムリミットは1ヶ月です。1ヶ月の間に肉体が回復しきれない、もしくは思い込みがなくならない場合、魂は亡者となります。亡者となってしまうと、魂が再び肉体に戻る可能性は限りなく0です」
「え、死ぬってことですか?」
「そうです。まぁ、心配しないでください。よっぽどのことがない限り、1週間もあれば戻れます」


「とりあえず、閻魔大王に報告がてら、肉体の様子を見にいきましょう」


…あたしは無事、生き返ることが出来るんでしょうか?





続く。


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