幸福論 | ナノ

「え?宮地って有名?」
「俺らの学年じゃ有名じゃね?知ってるやつは知ってる。何?知り合い?」
「うーん、幼なじみ?宮地もこの学校だよ」
「まじで?バスケ部入る?」
「うん。あ、あと大坪って人もいるらしいよ」
「え?あの大坪?」
「いやどの大坪かは知らないけど…」


突然話しかけてきた木村と盛り上がっていると、先生が戻ってきた。


「あー、じゃあ宮地に木村…いや、"八百屋"知ってるってきいてみて」
「は?八百屋?」

「じゃあ連絡事項なー」


木村は謎な発言をし、前を向いてしまった。

その後、明日からの話などプリントを配りつつ、連絡だけして、高校の1日目は終わった。


「なまえー」
「あ、清志ごめん。今行く」


教室の入り口に、先に終わっていたらしい清志が待っていた。

あ、木村、と思って隣をみると、もういない。帰るの早いな。



で、帰り道。商店街を歩きながら、今日の買い物の予定を立てる。


「今日は卵が特売だからー、それと野菜?意外に重くて大変だから清志がいるうちに買おう」
「わかった。野菜ってどこで買うの?八百屋?」
「八百屋…あ、清志"八百屋"知ってる?」
「あははー、お前、バカにしてんの?」


清志に言われて、確かに今の発言、めちゃくちゃバカにしてるみたいだと気づく。


「あ、違う違う!バスケ部だった木村!」
「木村…?」


清志は少し悩んで、でも八百屋でピンと来たみたいだった。


「…あ、"八百屋"か!なんでお前知ってんの?」
「隣の席なの!」
「まじかー。つか、あいつなんで"八百屋"なんだ?」


そんな会話をしていたら、みょうじ家御用達の八百屋が見えてきた。


「安いよ安いよー」


「…ね、あれって」
「…おう」


「木村、何してんの?」
「は?みょうじ?あ、宮地?何って家の手伝い」
「え?」


改めて看板をみる。


"ふれっしゅベジタブルきむら"


「ここ、木村ん家?!」
「だから"八百屋"か!」


隣の席の彼は八百屋のご子息様でした。

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