幸福論 | ナノ

「木村おはよー」
「よ」
「おー、みょうじと宮地。いいところに」
「ん?どした?…あ、てか、こちらはどなた?」


学校に行くと、4組の前で木村とデカイ男子がなんか話していた。誰かはなんとなくわかったけど、一応尋ねてみると、清志が「大坪」と答えてくれる。


「あー!あの大坪!大坪くん、バスケ部マネージャー志望のみょうじです。よろしく」
「よろしく。つか、あのって何だ?」
「俺と木村が散々名前出してたからじゃねー?」
「うん。そー。バスケで有名って聞いて」
「あー、中学が大会でいいとこまで行ったから」


と、大坪くんとも親睦を深めていると、


「いや、その話もいいんだけどさ、」


と、木村が切り出す。


「あ、そー言えばいいところにとかなんとか」
「さっき、大坪が教えてくれたんだけどさ」
「あー、なんかバスケ部だけ部活に入る前段階が複雑らしくて」
「え?」「は?」
「試し期間からの仮入部からの本入部なんだと」
「どーゆーこと?」
「普通、仮入部期間からの入部届け出して本入部だろう?」
「うん」「おう」
「でも、バスケ部は、最初の2週間は試し期間が設けられている。と言うのも、秀徳バスケ部って有名だろ?三大王者だし。まぁ、それで、真剣な奴も多いけど、入れれば良いみたいな気持ちの入部希望者も増えてきてるらしい。で、そういう奴らはすぐ結局ついて行けずに辞めていくから、試しのうちにふるい落とすんだと」


そして、次の大坪くんの言葉で、清志がブチ切れた。


「最初の2週間、1年は延々と走らされるだけらしいぞ」

「えぇっ?!」「はあ?」


笑顔で大坪くんに詰め寄る清志に、木村も苦笑いしてる。


「大坪ー。お前の冗談面白くねーんだよ。冗談だろ?いや、冗談だ」
「宮地、俺だって初めて聞いたときは冗談だと思った。でも、事実だ」
「はぁー、まじかよ…」


ついに秀徳でバスケが出来るとテンション高かった清志は「俺はバスケしに学校来てんだよ」とか言う。学校では勉強もしよう。


いやいや、それより、


「まさか、マネージャーも?」


割と真剣にきいたのに、清志に「ンな訳ねーだろ」と後ろ頭引っ叩かれた。

<< >>

×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -