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※大学パロ





「配り終わったかー?では、試験時間は60分。終わったやつから提出して帰っていいぞ。じゃこの時計で5分から始める。……始め」


夏休み目前にして、この期末テスト地獄。テストがない教科はレポートだし、もう、ここ何日もまともに寝ていない。

ボーッとする頭をなんとか起こしながら、とにかく解答欄を埋めていく。

周りのシャーペンが紙に引っ掛かるカリカリと言う音にイライラしだした頃、パシッと机にシャーペンを置く音が聞こえた。

(もう諦めたのか?)

そう思ってこっそり音のした方を向くと、

(うわ、ロー終わるの早っ)

机に突っ伏しているローがいた。成績優秀なローに限って、諦めたわけはない。特にこの教科得意って言ってたし。ちょっと今だけ脳みそ分けてくれ。

(それにしても…、めっちゃ暇そー)

起き上がったり、壁にかかった時計を見上げたり、なんだか落ち着きのないロー。

そんなローを気にしながら、ほぼやっつけで空欄をなくしていく。それでもまだまだかかりそうだ。

(え?てか、さっさと提出すればいいのに…)

ソワソワしながらもローはいつまでも席を立とうとしない。

なんでだ?とか思ったけど、時間がもったいないことに気付き、慌ててシャーペンを握り直した。

しばらくして、

(…まぁ、こんなもんかな。これ以上考えても駄目そうだし、提出しよう)

見直しを軽くして、名前とか記入もれがないことを確認して席を立つ。すると、ローもやっと重そうな腰を上げた。

(あ、このタイミングで出すんだ…)



教室の外。

「なんで、さっさと提出しなかったの?20分くらいで終わってたでしょ」
「は、なまえ待ってたんだろ」
「え、外で待っててくれればよかったのに」
「……あ」
「(もしかして今気付いた?)」
「……次は絶対待たねー」
「えー嘘、待っててよ」


ニヤニヤすんなって叩かれた。理不尽!



きっとこれも不器用な君の愛情のうち
(なんて、ね)

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