title | ナノ
「なぁ、」
「んー?」
「俺がお前を殺したいって言ったらどうする?」
ある夏の日。静雄ん家でまったりしてたら、静雄が突然の爆弾発言。
「…は?」
「…わり、やっぱなんでもねー」
「いやいや…」
セミの声が急に聞こえなくなる。
…あたし、静雄に何かしたっけ?
「え?ごめん?」
「いや、別にお前は悪くねーよ」
俺がオカシイんだ、と静雄は呟く。
完全に自分の世界。
「どーしたんよ?」
「……、どうしたら、」
「どうしたら?」
「お前が俺だけのモンになるかと思ってよ」
びっくりした。普通にびっくりした。
静雄がそんな独占欲をあたしに抱いてくれていたことにも、それを突き詰めてあたしを殺したいって結論に至ったことにも。
なんだろう。多分、純粋すぎるんだ、静雄は。
純粋すぎて、狂ってる。
そして、それを少し嬉しく思ってしまった自分も狂ってるんだろうなぁ。
机の上の麦茶の入ったコップの中で氷がカラカラ溶けた音がした。
なんか、あたしたちを笑ってるみたいだった。
爽 や か な 殺 意
(臨也に言ったら爆笑されそう…)