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仕事中、突然ケータイが鳴り出した。ディスプレイを見ると白澤様からの着信とある。…白澤様からの電話は9割がどうでもいい話なんだけど、1割くらい仕事の話だから無視は出来ない。あたしは、その1割に賭けて、電話をとった。


「もしもし?白澤様?」
『…なまえちゃん助けて…』
「え?白澤様?ちょ、どーしたんですか?もしもし?もしもーし!」


しかし、その内容は期待した1割でも、くだらない9割でもなかった。



――――――――



「白澤さんが、発熱で動けないらしい。だから、早退したい、と」
「はい!」
「桃太郎さんは?」
「白澤様のおつかいらしいです。上客だから無視するわけにはいかない方らしくて…」
「…はぁ、仕方ないですね。白澤さんに何かあって困るのは地獄もですから…。それにしてもこのくそ忙しい時に偶蹄類が」
「すみません!明日から残業するんで!失礼します!」


「…明日、来れるんですかね」



――――――――



「白澤様!大丈夫ですか?」
「あ、なまえちゃん…」

珍しく弱々しい白澤様もぐっとくる…じゃなくて

「はい、冷えピタです。ポカリとリンゴと…て、白澤様、半獣化してますよ?無理しないでください!」
「だって神獣の格好だと看病しにくいでしょ?」

変なとこ優しいんだからなー。

「もう、早く治してくださいね」
「じゃ手伝ってよ」
「え?ちょ、白澤様?」
「汗かくといいって言うじゃん。幸い桃タローくんもいないし」
「えええええ?!」
「…加減出来なかったらごめん。僕の熱、冷ましてくれる?」
「いや、あの、ちょ、あっ…」



――――――――



次の日。


「あ、もしもし鬼灯?」
『…なんでなまえさんのケータイから貴方がかけてくるんですか?』
「お前も野暮だなー。わかってるんだろ?なまえちゃんさー、今日はしばらく動けないと思うからお休みね」
『ちゃんと加減してください万年発情期が』




発熱と
なんとかは
紙一重
(だいたい、本当に風邪だったんですか?)
(それは想像に任せるよ)




――――――――――
"なんとか"は発情とかそんな感じで←


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