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階段を2段飛ばしでかけ上がって、なまえのいる教室に向かった。
約束の時間からもう30分以上経っている。でも、言い訳だけど、大坪の話は言いたいことはわかるけど無駄に長いっつーか、もうちょいまとめて欲しいっつーか、それでミーティングの時間が長くなるのはいつものことだった。

だから、こーやってなまえを待たせることも少なくない。オレの部活が忙しくて、なかなか一緒に帰れないから、たまにこーやって待っててもらってるのに。

教室のドアを開けて「なまえ、」と声をかけると、「遅いよ」と言う声のかわりに、机に突っ伏して寝息を立てるなまえの姿があった。

静かに近付いて、覗きこんだ。そして机に広げられた今日の宿題を見て理由がわかった。


(こいつ、また英語の長文読んで眠くなってんのか)


なんだかんだ待ってるのが暇で、いつもオレに写させろとうるさい苦手な英語でも、やって待ってようとしたんだろう。が、結局眠くなって寝てしまったみたいだった。

オレを待っててくれるためになのかって、少しずつの罪悪感と優越感で心臓がぎゅっとなる。

顔にかかる髪をさらりと流したら、くすぐったそうにした。

蛍光灯の反射する、真っ白いワイシャツが目に染みる。窓の外はもう真っ暗で、そろそろ衣替えかと思った。


(…あ、早く起こさないと、またドラマ見逃したとか怒られる)


肩を叩いて起こしたら、寝惚けたなまえが椅子から落ちて、結局怒られるまで、あと……





日常に溶ける


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