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霧崎第一高校に通うあたしと同じクラスの花宮真は、校内じゃちょっとした有名人だった。

決して弱くないバスケ部で主将兼監督の上、主力選手。学校でも成績優秀、品行方正な超優等生。さらに眉目秀麗、清廉潔白で先輩、後輩問わずかなりモテる。

先生方から一目置かれ、女子たちからは憧れの眼差しで見つめられる花宮くんだが、男子たち、特にバスケ部からは、何故か恐怖の対象として見られてるみたいだった。

部活だと、元来の真面目さゆえ、厳しく当たってしまうのかなーと思ったけど、それだと部活が違う男子の説明がつかない。


なんて色々考えてるとき、ちょうど去年同じクラスだったバスケ部の原に会った。


「え?知らない方がいいよ」


相変わらずいつでもどこでもガムを膨らませながら話す原は、あたりをキョロキョロ見渡しながら(前髪でちゃんと見えてるのかは謎だが)あたしに言う。


「花宮がホントーはどんな奴かなんて、知らない方がいい」

「いやー、でも気になるし」

「…みょうじって、花宮のこと好きなの?」

「え、わかんないけど…」

「俺がどうかしました?」


バッと振り替えると、そこにはにっこり笑顔の花宮くんがいた。原は口許をひきつらせ苦笑いしてる。


「何か、俺の名前が聞こえた気がしたんで、話しかけたんですが、迷惑でした?」


「い、いや、あの、」

「みょうじが花宮の本性知りたいって」

「え?」


じゃ、オレはこれで、なんて言って原は突然の発言に驚く花宮くんとあたしを残して、そそくさと立ち去る。


「ちょ、原!」

「俺の、本性?」

「あ、いや、なんか女子たちの中のイメージの花宮くんと、男子たちの花宮くんに対する態度にギャップあるなーってちょっと思っただけってゆーか、いや、えーっと」

「別にこれが俺の本性ですよ」


あ、だよねぇ、なんて相づちを打とうとしたら、花宮くんは顔を伏せ、ふっと笑った。


「…なんて誰が言うか、バァカ」


…ん?聞き間違い?

いや、まさか目の前の人からバカとか、そんな…


「全く、お前みたいに好奇心強い純粋なヤツが1番嫌いなんだよ」


願いむなしく、やっぱり真っ黒発言は花宮くんから発せられていて、


「そんなに俺の本性知りたいんなら、これからたっぷり見せてやるよ」


呆然と立ち尽くすあたしに花宮くんは、いい放った。


「少しは楽しませてくれよ?みょうじサン」


え、えーっと…もしかして、もしかしなくても、あたしトンデモナイこと知っちゃいました?




ガール×ミーツ×リバーシブルボーイ


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