赤司→キセキ
※ソロモン・グランディーぱろ


月曜日に涼太の雑誌を買い

火曜日に大輝とお勉強会

水曜日に真太郎と将棋を指して

木曜日にテツヤと本を読む

金曜日にさつきとデータの話し合いをして

土曜日に敦と2人でお昼寝

日曜日に彼らとともに勝利を飾れば

これでおしまい




ぼくの
えがいた
たったひとつだけの
しあわせな
みらい


「もう叶うことがないって知っているけれど」

そうつぶやいて、彼は静かに目蓋を下ろした。




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赤赤


ここは楽しい。離れたくない。ずっと傍に。永遠に。

離れていくなんて許さない。


「お前は、誰なんだ…」
「僕はお前だよ。赤司征十郎」
目の前のそいつは歪に笑う。
「そんな…なんで…」
信じられない。信じたくない。知らず、口から言葉を漏らすとそいつはさらにその口角を上げた。
「なんで?そんなこと君が一番知っていることだろう?」
「そんな…オレは…」
「認めなよ、赤司征十郎。君は愚かながら望んでしまったんだよ」
「ちが…!」
「青峰大輝がまたバスケに熱中できるように」
―――青峰はまた遅刻か。いや、試合以外はもう欠席すると言っていたな…
「ちがう!」
「黒子テツヤがバスケを嫌いにならないように」
―――黒子は笑わなくなったな。あれほど試合が終わったあとは、ミスディレクションが出来ないほど楽しそうな顔をしていたのに…
「オレは…!」
「黄瀬涼太が仲間を信じてプレーをできるように」
―――黄瀬は今日もモデル業か。確かに売れ出したからしょうがないと思うが、もう少し出席してくれてもいいと思うが…
「そんなこと…」
「緑間真太郎がともに練習をしてくれるように」
―――緑間、スリーばかり練習するようになってしまった。将棋は付き合ってくれるのに、バスケでは全然だな…
「のぞ、むはずが…」
「紫原敦がずっとバスケに向き合うように」
―――紫原は負けたらバスケをやめるらしい。あんな素晴らしい才能、身体能力を持っているのにもったいない…
「ちがう…」
「赤司征十郎が求めた平穏が続くように」
―――こいつらといるのは楽しい。勝ち続ければ、ずっとい続けることができるのだろうか…
「ちがう…ちがうんだ…」
大声で叫んだはずのそれは震えた声で情けなく消えた。そいつはニヤニヤと笑う。情けないオレを嘲笑っている。
「傑作だよね。勝利しかしらない君が友を知った。感情を知った。心地よさを知った。そうやって、尽くして尽くして尽くして尽くして尽くして……結果がこれだ」
「う…あ…」
目の前がゆがむ。望まぬ未来を見たくなくて、目を閉じようとするのにそいつは許さない。両頬をつかまれ、顔を近づけられる。ネコのような細長い瞳孔はさらに細くなった。
「泣くなよ。赤司征十郎は涙を流さない」
「ぐっ…」
「赤司征十郎は敗北を知らない。赤司征十郎は情に流されない。赤司征十郎は誰も愛さない。赤司征十郎は勝利こそがすべて。ゆえに情に捕らわれず勝ち続ける赤司征十郎は正しい。」
「あ…うっ…オ、レは…」
「僕を受け入れろ、赤司征十郎。僕はお前を勝ち続けさせるために生まれた」
「オレ、は…ぼくは…」


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赤赤
※BGM「恋/人/の/ラ/ン/ジ/ェ」
※結構電波っぽい


赤司征十郎と赤司征十郎。
2人の間には椅子が1つ。音楽も何もないけれど、いずれは1人だけが座らなければならない。
赤司征十郎は言う。
「どちらが座る?」
赤司征十郎は答える。
「どちらでも」
赤司征十郎は笑顔でいう。
「オレは座らないでおこう」
赤司征十郎は笑顔で答えた。
「じゃあ、僕も座らない」


いつからかは忘れた。ある部屋。椅子は1つ。赤司征十郎は2人。椅子に座らなければ、開かない扉。けれど、この部屋の契約は無期限。その日から、2人きりの椅子取りゲームは始まった。


赤司征十郎はある日勝利を謳った。すると、次の日赤司征十郎も勝利を謳った。けれど、それが重なりあってハーモニーを紡ぐことはない。だって、赤司征十郎は同じであるから。
それを知った赤司征十郎は悲しんだ。
「どうして、僕と君は一緒に謳えないの?」
「だって、椅子は1つしかないのだから」



しかし、いつの日か赤司征十郎は勝利を謳わなくなった。まだ椅子は空っぽ。うたが終われば、どちらかが座らなければならない。赤司征十郎は赤司征十郎がその椅子を座ろうと思い始めたのではないかと思った。だから、赤司征十郎は勝利を謳い続けた。彼が座ったときでも、そこは最高の状態にし続けていたかった。



赤司征十郎はいつの日か、赤司征十郎が椅子を座る日を夢に見ていた。




しかし、現実は残酷だった。赤司征十郎は謳えなくなった。声が枯れてしまったのだ。勝利を謳うことが出来なくなった。だって、うたが終われば、椅子はどちらかが座らなければならない。それは赤司征十郎でなければならない。
謳わなくなったことで、しんと静まり返りそうなそのとき、違ううたが聞こえた。聞いたこともないうただ。
「君にこれをあげる。はじめて敗北した記念に」
それは赤い花で作られた冠だった。
笑う赤司征十郎はそれをかぶせようと手を伸ばしてくる。その笑顔がなんだか怖くて、その冠がいやで、赤司征十郎は首を横に振りながら後ろに下がる。しかし、何かが足に引っ掛かった。

「あっ…」

ストンッ

「おめでとう。君が赤司征十郎だ」



「い…いやだ…!!僕は敗けてしまったのに…勝てなかったのに…赤司征十郎なんかになりたくない!」


うたは止んでいた。椅子取りゲームの終演だ。
扉は開かれる。赤司征十郎は笑う。

「オレは君が大好きだよ。赤司征十郎。だから、君も勝利だけを愛さないで。オレを愛して」



世界は一つだけ。
赤司征十郎は重ねていう。
一つだけ。

君を愛しているけれど、オレは世界も皆も愛している。だから、君とはいられないんだ。

さようなら。



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赤黒赤 ※エイプリルフールネタ


エイプリルフール。嘘をつく日です。なんだかんだ毎年嘘はつけてないです。その日以外にも簡単に嘘をついているときもあるのに不思議なものです。
そういえば、なんで4月1日なんでしょうかね。調べたことがないので知りません。また調べてみましょう。そのときにまで覚えてるかは甚だ疑問ですが。
エイプリルフールにルールがあるらしいですよ。午前中に嘘をついて、午後に種明かし。人を傷つける嘘はしてはならない。そして、ついた嘘はその一年間実現しないらしいです。あくまで噂ですから、どこからが本当でどこからが嘘かはわかりませんが。

赤司くんはどんな嘘をつきたいですか?


「そうだね……じゃあ、テツヤはいずれバスケがイヤになってやめてしまうんだ」


…それは嘘なんですか?実は○○なんだとかの嘘のほうが一般的ですよ?


「そうなのかい?じゃあ、実はこれは嘘の予言だ」


それは種明かしですか?それとも…


「さぁ、どちらだろうね」




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紫赤前提の紫原と黒子


雨はめんどくさい。だけど好き。お菓子が湿気るから、チョコとかばっかになっちゃうけど。でも、外周がなくなるから、アップは軽くてすむし、あー、でもじめじめするのはきらい。オレ、髪長いからめちゃくちゃ首にくっつくし。そういうのうざったい。
結局、雨のどこが好きっていうのはね、音が好きなの。ぽつぽつとかざーざーとか、ぴちょんぴちょんとか。そういうの聞いてると、力抜けんの。だらーってして、それだけに耳傾けて、お菓子食べて。
うるさい声も消えてくれる。好きな音だけ聞こえる世界は快適だよ?

「紫原くんの理由はひどく閉鎖的ですね」

へーさてき?
まぁ、そうかもねー。
開放的になって何の得があんの?才能とか努力とかうざったい言葉ばかり吐く。そのくせに責任押し付けて、めんどくさい。
わかんないの?
あんたもそうだよ。
赤ちんに認められて、一軍に入れたくせに、才能だけじゃない。努力の結果だとか。そのくせに、そうなったのは赤ちんのせいにしてさ。意味わかんない。うざい。赤ちんに認めてもらったくせに。
それだったら、最初から好きなものしか見なければいい。うざいもんとかめんどくさいもんとか、そんなん見るから疲れちゃうんだよ。聞かなかったら疲れない。楽でいられる。
そうやって閉鎖的に暮らせば、いつだって好きなものに囲まれて幸せいっぱいだよ。ねぇ、赤ちんもそう思うよね?



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