「今日が終わったら…私たちも終わりにしよう…リヴァイ…」
ユキはそういうと、涙を流しながら少し微笑んで俺にそう告げる。
「…っ」
俺は、目頭が熱くなった。
俺は、なんてことをしたんだ。
知らなかったじゃすまされない。
ユキは、こんなにも俺を想ってくれていたのに。
それなのに、俺は…
俺はユキの腕を思いっきり引っ張ると自分の方へ寄せ、抱きしめた。
「…っやめてよ、リヴァイ…」
ユキが俺の腕の中で抵抗する。
俺は力を少し強めてユキを話さないように抱きしめる。
「…なんでっ…こんなことするの…好きじゃないならっ…こんなこと…しないでよぉ…」
ユキは泣きじゃくる。
俺は、口を開いた。
「…ユキ、頼む、聞いてくれ…」
俺がそういうと、ユキは抵抗をやめる。
「…悪かった、本当に。本当にすまなかった…知らなかったじゃすまされないと思う…だが、俺は…知らなかったんだ、バレンタインもホワイトデーという行事も」
俺がそういうと、ユキは「…えっ?」と小さく呟く。
「さっき、聞いたんだ、ハンジから…それまで知らなかった…あの日のチョコレートにそんな意味があったなんて、知らなかったんだ…悪かった、本当に本当に…」
俺は情けないことに、声が震えた。
「お前は、こんなにも俺を想ってくれていたのに…それに気がついてやれなくて、こんなに不安にさせて、泣かせて…俺は最低な男だ」
ユキは鼻をすする。
俺はひと呼吸するとユキの目をみていった。
「…俺は、お前を愛している。ユキ…信じてくれ」
俺はそういってユキを見つめると、雨華はまた涙を流し始める。
「…本当?本当に?信じるよ?…私だけじゃないって…」
俺は泣くユキをまた強く抱きしめると、
「信じてくれ。俺がこの世界で愛しているのはユキだけだ…」
そして俺は右手で雨華の顎をもち、クイっと上を向かせ、左手を腰に回す。
ユキの目は真っ赤だ。
「好きだ、ユキ。この世界の誰よりもだ…」
そういうと、ユキは小さく微笑んで
「…私も、リヴァイ…あなたの事が好き…大好き…この世界の誰よりも…あなたを愛してる…」
そういった。
俺はその瞬間ユキを引き寄せキスをした。
最初は触れるだけのキスを。
そしてどんどん深くなる。
ユキの声が漏れる。
水音が誰もいない静かな廊下に響く。
「…んっ」
ユキを離すと、目がトロンとして焦点があっていない。
俺はニヤッと笑うとまた触れるだけのキスを、わざと音を立ててする。
「…リヴァイ」
ユキが俺の名前を呼ぶ。
俺はユキを抱きかかえる。
お姫様抱っこというやつだ。
そしてそのままユキの部屋へと入り、鍵を閉める。
そのまま奥へ進むとユキをベッドへ優しくおろした。
「…いいか?ユキ…もう、無理だ、我慢できねぇ…」
俺は首元を緩めながらユキにいうと、ユキはこの暗闇でもわかるくらいに顔を赤くして
「いいよ…リヴァイなら、でも……」
そういってユキは俺の手を引くと、自分の顔と俺の顔が同じ位置になるようにして、右手で俺の頬に触れた。
「…優しく、愛してね…」
俺はその言葉を聞いた瞬間理性が飛んだ。
はじめてだ、理性が飛んだのは。
そうして、俺たちはその日、はじめて一つになった。
改めて、こいつを大事にしようと強く思った。
そして心に誓った。
もう二度と、ユキを泣かせないと。
来年は、ちゃんと用意しとこう…
end.
→後書き&オマケ
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