嘘吐き星

軍人なんて大嫌い

粗野で身勝手で自尊心は高い癖に不躾で……

軍人なんかとは絶対結婚したく無いわ


** *** **


日も落ち掛け、点灯夫が街の瓦斯灯に灯りを点す時間帯、西蔵家は食堂で少々早い夕食を摂って居た。

洋卓(テーブル)の上座に坐る西蔵家の当主、西蔵少将は葡萄酒洋盃(ワイングラス)を片手に御機嫌であった。

先程から、上官が自分に昇任の話を持ち掛けて居る事、今迄自分が行った功績等、軍(しょくば)での自慢話許りを部屋中に響く声で話して居る。

其の話を聞く夫人は只相槌を打つだけだ。

西蔵家の令嬢、夕星(ゆうづつ)は両親にも周囲に居る女中達にも聞え無い程の小さな溜息を吐いた。

昔は謙虚で真面目な性格だったらしい父だが、昇任して行く内に御腹も態度も大きく為って行って了った、と家に長く仕える初老の女中が以前愚痴を零して居た事を思い出す。

軍人なんかに為るからだ。

軍人なんかに為ったらどんな真人間も駄目に為って了うのだ。

軍人なんかに為らなければ父も良い父の儘で居られただろうに。

「夕星よ」

「……はい。何でしょうか、御父様?」

夕星は父を見据える。

やや後退した生え際から伸びる白髪混じりの髪、目尻や口元に目立つ皺、弛んだ頬、二重顎……。

今の父には若かりしき頃の面影など微塵も無い。

今の父に有るのは己を守る為の見栄と、虚勢を張って作った空ろな威厳だけである。

「御前に見合い話を持って来たぞ」

「御見合いですって?」

「何だ其の厭そうな顔は。お前ももう十七なのだからな。余りうかうかして居ると売れ残って了うぞ」

厭なのは見合いでは無い……父が選ぶ見合い相手が厭なのだ。

「……御相手は軍人さんで御座いましょう?」

「ああそうだ。私の上官の御子息だ」

……矢っ張り。

父の事だから自分を軍人と一緒にさせる心算なのは重々解って居た。

職場での縁を増やしたいのだ。

縁が縁を繋げ、其れが更なる昇任に繋がるかも知れないから。

軍人が嫌いな事は両親にも女中達にも誰にも言った事が無いから家の者達は皆、自分が見合いを厭がって居る様に見えるだろう。

軍人が大嫌いだから見合いなんてしたく無いと言えたら良いだろうが、嫌いな物を直ぐに口にする程自分は子供では無いし、例え言った所でそんな事あの父が許す筈無い。

「ほら、これが写真だ」

父が近くに居た女中に洋卓に置いて在った台紙を渡し、夕星の元へ運ばせる。

台紙を開くと中には軍刀を手にし、正装の軍服に身を包んだ一人の青年が写って居た。

唇をきつく結んだ顔付きは凛々しいが、軍帽の下に覗く目は何処か少年の様な溌剌さを持つ印象である。

「東晃陽(こうよう)少尉だ。上からも下からも信頼されて居る将来有望な若者だぞ」

詰り出世の見込みがある、と云う訳か。

「見合いは次の日曜だ。先方に失礼の無い様にな。――無論、私に恥なぞかかせるな」

自由恋愛を望んで居る訳では無い。

見合い結婚に為る事はずっと昔から解って居た。

父が選んだ相手と結婚し、其処には恋慕の情は無く、自分は只嫁いだ女として家の為に子を産む。

そんな有り触れた結婚生活をするのだろうと思って居たし、不満を持とうとも思わ無かった。

其れでも、夫に為るのが軍人なんて絶対に厭だった。


** *** **


見合いは日本庭園が趣深いと有名な料亭の洋間でする事に為った。

窓からは季節の花々や池を優雅に泳ぐ鯉の姿が見える。

初めての見合いだからと気合いを入れた女中達に囲まれて、髪も化粧も着物も至る所を粧し込まれた夕星の隣には父、洋卓を挟んだ向かい側には見合い相手と其の父が並んで坐って居る。

三人共一様に軍服を着て居て、夕星の煌びやかな模様が浮かぶ朱の振袖だけが変に目立って居た。

「中将、少尉、此方が娘の夕星です」

「……初めまして。夕星で御座います」

「いやあ実に美しい御嬢さんだ。家の息子なんかには勿体無い」

「ははははは。まだまだ子供ですよ。夕星、此方が東少尉だ」

「帝国陸軍少尉、東晃陽です。初めまして」

晃陽は諂いを感じさせ無い柔和な笑みを湛える。

……猫を被る事が上手い人だろうか。

父の様な上辺だけの威厳を振り撒く人間よりは多少増しだが、其の分性格が厭らしいに違いない。

こんな下ら無い見合い、適当に相手してさっさと終らせて了おう。

「失礼ですが、西蔵少将、父上。夕星さんと二人切りでお話がしたいので庭に出ても宜しいですか?」

「えっ?」

普通は当たり障り無い話、例えば趣味の話から始まる物だと思っていた夕星は面を喰らった。

夕星の父も晃陽の父も一瞬呆気に取られた様だが直ぐに大声で笑い始める。

「はっはっはっ。積極的で結構結構」

「晃陽は此の見合いに私よりもずっと乗り気で居たからな。行って来なさい」

「……有難う御座います」

晃陽は軽く頭を下げると椅子から立ち上がり、其の侭夕星の元へ歩み寄る。

写真では解ら無かったが、夕星の知るどの男性よりも上背が有る事に気付く。

「参りましょう」

差し出された大きな手――填めた手套の白色が目に痛い程眩しい。

「……はい」


** *** **


晃陽に連れられる儘、夕星は美しい庭園の中に足を踏み入れた。

部屋に居た時よりも色取り取りの鮮やかな花や草木が良く見えるが、大嫌いな軍人が隣に居ては心休まら無い。

「すみません、突然外に連れ出して。夕星さんとどうしても二人で話がしたかったので」

「そうですか……」

だからと云って行き成り、碌に話もせずに誘うなんて非常識だ。

然も理由が自分と二人切りで話をしたいだなんて只の助兵衛なのでは無いか。

「これじゃあ夕星さんの嫌いな、不躾な軍人と同じですよね……。以後気を付けます」

「えっ……」

何故、初対面の此の見合い相手が自分の軍人嫌いを知って居るのだ。

夕星の目を見張った顔を見て、晃陽は首を傾げる。

「若しかして俺の事覚えて居ませんか?」

「覚えて居るも何も、私達は今日初めてお会いしたでしょう……?」

「初めてじゃ無いですよ。俺と貴女は二年前に一度会って居ます」


** *** **


「いてて……」

其の日、指導と言う名目に因る上官からの憂さ晴らしに軍刀で彼方此方を叩かれた晃陽は河原で体を休めて居た。

体中が痛み、軍服の袖と裾を捲ると擦り傷や痣が見える。数日は此の儘だろう。

遣り返したらあんな奴には負け無いのに――そう考えたが直ぐに頭を振る。

軍での上下関係は鉄則だ。

そんな事をしたら如何なるか目に見えて居る。

自分だけで無く父も、下手したら将来東家に生まれて来る子供や孫に迄迷惑を被って了う。

忘れて了おう。

どうせ明日には自分もあの上官にとって、指導した部下の内の一人に為る。

寧ろこんな事を一々覚えて根に持って居たら身が持た無い。

軍では身体だけでは無く精神も強くなければいけないのだ。

父や自分を叩いた上官の様に図太くなければ……。

「あの、大丈夫ですか?」

鈴を転がした様な、澄んだ声が聞こえた。

驚いて声がした方へ振り向くと、一人の少女が立って居た。

長い髪が日の光を浴びて艶々し、ぱっちりした大きな瞳は自分をじっと見て居る。

「えっ……あっ……」

思わず言葉に詰まる。

職場は男許り、家には女中も居るが自分の世話をするのは皆中年の者で、若い方とは余り関わりが無く、若い女と話す等滅多に無い事で慣れて居無かった。

然も相手は上品な雰囲気が漂う可愛らしい少女だ。

恐らく、自分が見てきた女子の中で最も可愛いかも知れない……。

思わず見惚れて居ると、少女の顔に訝る表情が浮かぶ。

「……一寸待って居て下さい」

少女は目の前に在る川に近寄って屈み込み、何かし始めた。

此方からは少女が蔭になって良く見え無い。

戻って来た少女は自分の直ぐ隣に腰を下ろす。

前より距離がぐっと近く為った。

少女から漂って居るのだろう、仄かに甘い香りが鼻を擽る。

「御顔に砂が付いて居ますよ。其の儘では膿んで了います」

少女が手を伸ばすと、頬に何か冷たい感触が軽く当った。

視線を其方へ向けると白い手巾(ハンケチ)が見える。

先程川でして居たのは之を濡らして居たのか。

手巾が頬の上を優しく撫ぜる。

気恥ずかしく為って視線を逸らすが、少女を見たいと言う思いが強いのか直ぐに戻って了う。

……間近で見ると益々可愛らしい。そして美しい。

白い肌、長い睫毛、桜色の唇、細い首、小さな肩。

触れたら壊れて了いそうな儚さが有る。

「――はい、全部取れましたよ」

「有難う御座います。あの、何で俺なんかにこんな事を……?」

「……実は上官の方が貴方に暴力を振って居る処を見て了って……」

顔が一気に熱く為る。

こんな可愛らしい少女に自分の情け無い姿を見られて居た事を思うと恥ずかしくて居た堪れ無く為る。

だが見ず知らずの自分を心配して手当てして呉れたとは何と心優しいのだろうか。

「あんな事をするなんて軍人さんって本当、仕様が無い人ですわね」

「……貴女は、軍人が嫌いみたいですね」

「ええ」

「具体的に何処が?」

「え?」

「否、其の、好奇心からと云うか……」

「そうですわね……。粗野で身勝手で自尊心は高い癖に不躾な処、かしら?」

「……」

襤褸糞である。

何時か立派な帝国軍人に、と志して軍に入ったが、確かに少女の言う様な仕様が無い軍人許り居たのは事実である。

自分を叩いた上官の様な人間がごろごろ居る。父だって似た様な者だ。

「……そうじゃ無い軍人だって居ると思いますよ」

「あら、如何でしょうかしら?」

「居無いなら、俺が為ります」

今目の前に居る少女に認められたい。

真面な、否、中身も立派な軍人だと思って貰いたい。

彼女が嫌う軍人とは違う軍人に為りたい――

そう強く思った。

「……そうですか。頑張って見て下さいまし」

然し余り期待はされて無い様だ……。

「其方の手巾は差し上げます。捻挫を冷やす時にでもお使い下さい」

では私は是で、と言い残して少女はさっさと立ち上がり何処かに去って行って了った。

少女の名前も聞けず終いの儘、晃陽の元には花の刺繍が入った手巾と、人としても立派な軍人に為ると云う熱い思い、そして少女への焦がれだけが残された。


** *** **


「父から見合いの話と一緒に写真を見せられた時は驚きましたよ。真逆西蔵少将の御嬢さんだったなんて」

「……あの時の方だったんですわね。話されるまですっかり忘れてましたわ」

女学校からの帰り、道行く先に二人の軍人が見えた。

中年の者が若い方を一方的に足蹴にして居り、其れが余りにも痛ましかったのを覚えて居る。

だが、声を掛けて手当てしたのは気紛れだ。

其の相手が自分の見合い相手に為るとは思いもし無かった。

然も話を聞く処、自分に好意を抱いて居る。

「夕星さん」

晃陽があの写真と同じ凛々しい顔付きに為る。

否、目が違う。少年の様な溌剌さは無く、歳相応の艶っぽさを含んで居る。

其の黒い瞳が真っ直ぐ自分を見詰める。

「好きです。俺と結婚して下さい」

「御免なさい」

「即答っ? な、何でですかっ?」

先程見せた晃陽の真剣な顔は一瞬にして崩れ去り、目を丸くして明らかな動揺を見せる。

「何でって……二年前に申しましたでしょ? 軍人が大嫌いだと。嫌いな方とは結婚なんてしたくありませんわ」

「否、だから俺は貴方が嫌うような粗野で身勝手で自尊心は高い癖に不躾な軍人には為らずまいと――」

「軍人全般が嫌いなんですの」

父や他の軍人の様に為ら無い様にして来たのは認めるが、其れと之とは話が別だ。

軍人とは結婚したく無い。

其れが今も、二年前も、昔から一貫した自分の思いだ。

父に話を付けて無理矢理にでも結婚しようなんてしなそうな人だし、此処は諦めて貰おう。

「今日の御話も、私への気持ちも無かった事にして下さい。御願いします」

「……貴女の御蔭で今の俺が在るんです」

晃陽は苦々しい顔を浮かべる。

「貴方なら他の良い女性との御話が屹度在りますわ」

「俺は夕星さんに惚れたんです。他の誰でも無い、貴女に」

「……っ」

二年間片思いして居たという晃陽の想いが、恋愛結婚等疾うに諦めた夕星を戸惑わせる。

……恋愛についてなんて考えた事が無かった。

誰かを好きになり、誰かに好かれる事なんか御伽話や小説にしか無く、自分には無関係な物だと思って居た。

夕星の戸惑いを察したのか、晃陽は表情を和らげる。

「んー……。じゃあ夕星さん。俺と少しの間お付き合いして戴けませんか?」

「……」

言った言葉の意味が数秒間理解出来無かった。

「……は?」

「屹度軍人としてでは無く、一人の男として俺を見て呉れる様に為りますよ」

「……」

夕星は只唖然とした。

……何なのだ此の人は。

此の日、互いの理解を深めてから話を纏めたいと云う晃陽の表向きの意向に寄り、見合いは無事に終わった。


** *** **


「良い眺めでしょ?」

「ええ、とても」

夕星と晃陽は今、街を一望出来る小高い丘に立って居た。

周りは木々が生い茂り、息を吸い込むと爽やかな空気が体中を巡る。

見合い以来、晃陽は休日に為ると西蔵家に頻繁に訪ねて来ては夕星を外出に誘うように為った。

最初の方は母や女中達に滅多に無い事なのだからと半ば押し出される形で家から出されていたが、今では晃陽が来たと聞かされれば急いで玄関に向う。

其れ処か一緒に出掛ける事が楽しみに為って居り、格好や髪に一段と気を使うように為った。

「貴方、本当に色んな場所を知って居ますわね」

晃陽が連れて行って呉れる場所は何時も自分にとって新鮮で心が躍らされる様な場所許りだった。

「結婚して呉れたら新婚旅行の時にもっと良い場所に連れて行きますよ」

結婚……。

晃陽と一緒に居る理由を忘れて了いそうに為る。
違う、忘れたく為って了うのだ。

何も考えず、只彼の側で幸せな気分に浸って居たいのだ。

此の数ヶ月、晃陽と外出する様に為って自分の気持ちは確かに変わった。

少しずつ彼に惹かれて行き、彼を好きに為った。

だが気持ちは秘めた儘だ。

両思いだと解って居るが言え無い。

本当は彼の一番近くに居たいのに、自分の本当の想いも言わずに彼の好意に甘えて了って居る自分が厭に為る。

ずるいと思う。

彼の為を思うなら、大人しく身を引く――其れだけでは足り無い。

嫌われる様に冷たく突っ撥ねなければいけないのだ。

然し実際に嫌われて了ったら悲しくて苦しくて如何にか為って了うだろう。

好きなのに好きに為りたく無い。

好きに為って欲しく無かったのに嫌われたく無い。

――考えと気持の不一致。

若し彼が軍人では無かったら自分の気持ちを素直に言えただろう。

彼が軍人だから此の気持ちを言え無いのだ。

此の気持ちを全て打ち明けて了えば楽に為るのだろうか。

全て打ち明けたら彼は解って呉れるのだろうか。

「……晃陽さん。私、ずっと自分にも貴方にも嘘を吐いてましたの」

「え?」

顔を見られたく無くて、顔を見たく無くて後ろを向く。

見たら決心が鈍って了う。今迄築き上げた物が崩れて了う。

「私が軍人を嫌いなのは嘘なんです。無理矢理思い込もうとして居た事。でも軍人の方と結婚したく無いのは本当。結婚したく無かったから嫌いに為ろうとしてましたの」

「なん、で……」

晃陽の表情は解ら無い。

然し声には驚きと戸惑いが混じって居るのが良く解る。

「……だって遺されたら悲しいじゃありませんか。私、何時戦地に赴いて死ぬか解ら無い殿方を愛せる立派な妻になんて為れませんわ」

老衰や病気で先立たれるならまだ耐えられるだろう。

だが、戦争で国の為にと其の命を散らすなんて残酷過ぎる。

たったの紙切れ一枚で死を知るなんて理不尽過ぎる。

そんなの、耐えられる訳が無い。

「まぁ、私がいくら軍人と結婚したく無くても父は私を結婚させるでしょうね。粗野で身勝手で自尊心は高い癖に不躾で、仕様が無い軍人の方と……。でも其の方が良いかも知れませんわ。そんな方、到底好きに為れませんもの。愛しても無い夫を失っても屹度そんなに悲しく無いでしょうしね」

愛する人を失った悲しみを引き摺った儘其の先の人生を生きるくらいなら好きでも無い相手と結婚した方が良い――今自分の後ろに居る相手とは違う男性と。

「だから……私を好きだなんて言わ無いで下さい……」

声が、震える。

「結婚したいだなんて……」

それ以上は言葉を続けられ無かった。

「……」

晃陽はずっと黙って居る。

呆れて了ったのだろうか。

当然だ。あれだけ軍人を嫌いだと言って置きながら理由が只の自分勝手な、子供染みた我が儘だったのだから。

いっそ何も言わず此の儘立ち去って呉れれば――

「……確かに軍人なんて何時死ぬか解ら無い。況してや今の日本は軍国主義で、もう何度も他国と戦争をして居るし、また始まるのは時間の問題だ」

やっと口を開いた晃陽の言葉一つ一つが頭の中に響いて来る。

胸が苦しく為って来た。

打ち明け無ければ良かったと後悔するがもう遅い。

「其れでも……何時か貴女を悲しませる事に為るのは解って居ても、俺は夕星さんの側に居たい。俺が幸せにして上げたい」

己の意思を表した様なはっきりした声だった。

「話して呉れて有難う御座います」

振り返ると、晃陽が優しい笑みを浮かべて居た。

夕星の大きな目からはぽろぽろと涙が零れ落ちて来て、遂には嗚咽が混じる。

震える夕星の小さな肩を、晃陽はそっと抱き寄せた。





〈了〉










漢字ばかり読み辛いのは仕様です!
もぐさんに描いていただいた絵の元ネタでした。
色々ネタが膨らんでる話なのでいつか続きを書きたいなぁなんて。


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