俺はそれからというもの母さんを守る力を手に入れたくて、仕方がなかった。
弱いままじゃ駄目だ、そう思っていてもまだ赤ん坊の自分。
柔道、空手、合気道など口にでもすれば、可笑しいのは当たり前。
どうするか、悩みに悩み月日が経つ。
そして私が2歳の時、それは映される。
「ま、ママ!ママ!これー!」
そういい母を呼び、来た母の袖を引っ張る。
子供の演技はこの10数ヶ月でお手の物だ。
「ん?どうかしたの?」
私に合わせるうに母は、しゃがむ。
「ね、ね、これしたい。」
一人称や主語がない文で私は母に気持ちを伝える。すると、母は私の言いたいことがわかるのか、微笑み私を撫でてくれた。
「由夏はコレをしてみたいのね?」
そういいながら母は、テレビを指差す。
それに私は大きく頷いた。
「わかったわ。ここの教室、真耶ちゃんのお家だから連絡してくるわね。」
真耶ちゃんと言うのは、母の友達で親友。
まだ会ったことがないが、私と同い年の子がいるはずだ。
「ママ、ありがとっ!!だいすきぃ。」
母に抱きつき笑う。
そんな私を母は笑顔で撫でてくれた。
次の日、母と向かうは武術の園、真耶さん家!
母と手をつなぎながら、トボトボと歩く歩く。
すると、真耶さんの家らしい場所に到着。
「ここ?」
母に目の前の家を指差しながら訪ねる。
「そうよ。さ、行きましょう。」
家から(大人の足で)歩いて10分程度。
割と近く私の足でも通えそうで安心する。
母は古風なその家の呼び鈴を押した。
強さを求めて
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