少し離れた桜の木の下で佇む

ここで時間潰して、そのまま帰ってまおう

あの場所に戻るんは無理やろ

「何してんねん、俺」

はぁ〜、と盛大に息を吐けば後ろから声がした

「真子、大丈夫?」

そこには、心配そうに俺を見つめる名前がおった

「おー、ちぃと酔ってしもたみたいや」

「そう、良くなったら戻ってきてね」

ふわりと笑って、立ち去ろうとする名前

無意識のうちにその袖を掴んどった

「どうかした?気分でも悪いの?」

俺の顔を見上げ、様子を窺っとる

必然的に上目づかいになっとって、俺の心を揺さぶった

「なァ、俺って魅力無いんか?」

「えっ、そんなことは無いけど」

「そうか。俺は名前しか見えてへんねんけどな」

気付いたら、なんや告白したも同然で、
この後、振られるンを待つだけかと内心諦めた

「あたしだって、真子だけだよ」

あぁ〜、明日から気まずい関係に・・・

「はっ?何て言うた?」

「だから、真子は特別だって」

顔を真っ赤にして目を伏せる名前






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