『シンジィ!一体どないなっとんねん!!』



怒声と同時に隊首室の襖が開け放たれたかと思えば。飛び掛かってきたひよ里にいきなり胸ぐらを掴まれた。
唖然として声を発することも出来ないまま揺さ振られて、握っていた湯呑みからお茶が零れ落ちる。





『オマエが悪いねんぞ!そうや、全部オマエのせいやっ!!』


『な、な、何やねん、いきなし…』


『オマエがぼさっとしくさっとるからじゃ!このハゲ虫がァ!!』


『ちょお待て、一体何を言うてんねん…』


『ホンマにカヤのヤツ、こないなハゲた面のどこがええねん、サッパリ解らへんわ!』



途端に、そこまで顔色一つ変えることなく話を聞いていた真子の眉間に皺がよる。
その変わりようにひよ里のさっきまでの勢いも一瞬たじろいだ。





『…カヤに何かあったんか?』


『し、知らんっ、自分で考えろや!』


『リサ、何があったんや』



ひよ里の顔を無理矢理押し退けると、その背後で事の成り行きを無言のまま傍観していたリサに視線を投げた。





『何すんねんハゲ!シバくど!!』


『ええからオマエは黙っとれ。リサ、ちゃんと説明してくれや』


『あの南師って子が、話がある言うてカヤのこと連れてったんや』


『何やて…』



この間のあの様子からしてまだ何かあるとは思っとったけど。まさか直接カヤんとこに行くとは予想外や。





『まぁカヤのことや、修羅場になるなんてことはあらへんと思うけど。気ィつけといた方がええんと違う?』


『おー、わざわざ悪かったな。ちょお様子見てくるわ』


『シンジ、カヤんこと泣かせたらウチが絶対許さへんからな』


『アホか、泣かせへんわ』





リサから場所を聞き出しとにかく急いでその場へと向かった。






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