暇を見つけては縁側に出て、二人並んでお茶を啜るのが最近の日課になっていた。 『ホンマ腹立つわァ!喜助のヤツ!!』 一気にお茶を飲み干すと、湯呑みが割れてしまうのではないかと思うくらい力を込める。 『何だかんだ言ってもいいコンビだと思うけどなー、私は』 『はァ!?気色の悪い事言いなや!いくらカヤかて許さへんで!?』 『ご、ごめん…』 物凄い剣幕でまくしたてるひよ里だが、その頬はほんのり桃色に染まっている気がした。 全く素直じゃないんだから。でもそこがひよ里の可愛いとこだけど。 『何にやけてんねん』 『ううん、別に』 何やねん、気持ち悪いやっちゃなァ。ぶつぶつ言いながらお茶菓子を頬張る。 『そうや、カヤの方は最近どないやねん』 『私?最近は特に何もないけど』 羅武や他の隊士達とも、そこそこ上手くやっているつもりだ。 『とぼける気か?うちはハゲとどうなっとるんやって聞いてんねん』 『しん、じ…?』 真子の名前を聞くだけで、決まって心臓が飛び出しそうになる。全く本当に身体に良くない。 『あのなァ、うちが何も知らんと思てんのか?オマエら見とるとイライラしてくるわ』 『そんな事言われたって…』 うちはあんなヤツのどこがええのかサッパリ分からんけど。じろりと睨みながら溜め息を漏らす。 『ごちそーさん。ほんならまた来るわ』 立ち上がり背を向けて歩き出したひよ里に慌てて声をかけた。 『ひよ里』 『何や?』 『真子には絶対言わないでよ?』 『…アホ、言わへんわ』 ひよ里は一瞬何かを考えるように俯いて、そのまま自分の隊舎へと戻って行った。 ← | → しおり |