『カヤ〜!おるかァ〜!?』


七番隊隊舎に響き渡るけたたましい声。どかどかと慌ただしい足音と共に、その声の主は近づいてくる。






ガラリ、襖を開けるとより一層大きな声で。



『おったおった!やっぱここやったんか』


『今日は浦原隊長の愚痴でもこぼしにきた?それともマユリ?』



書類に落としていた視線を上げて、遠慮なく入ってくるひよ里に声をかける。



よお、分かっとるやん。にぃと満足気に笑って、すぐ近くのソファーに勢いよく腰を下ろした。いつもの事ですから、と笑い返してお茶を淹れるために席を立つ。





『おい、お前ら。ここ何処だと思ってんだ。隊首室だぞ?』


面倒くさそうに羅武が顔を上げる。



『ごちゃごちゃうっさいなァ、羅武。うちら副隊長はなぁ、上と下から挟まれてストレス溜まんねん!』



『なァ?カヤ』
『ねー、ひよ里』



女二人に手を組まれては、羅武に勝ち目などあるはずもなかった。



まったくどっちが隊長か分かりゃしねぇ…。
二人に気付かれぬよう静かに心の中でぼやくしかなかった。






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