昼休み、外で休憩をとろうとひよ里とリサに声をかけられ隊舎近くにある評判のお店で昼食をとっていた。





『何やねん、カヤ。風邪かァ?』



調子の悪そうなカヤに気付いたひよ里が顔を覗き込む。



『うーん…、何かよく解んないけど朝から調子悪くて…』


『鍛え方が足らへんのと違う?あたしなんか年中この格好でも風邪なんてひいたことあらへんよ』


『えー、そうなのかなぁ』


『ウチはそないなカッコで風邪ひかへんリサに逆に感心するわ』



自信満々に話すリサに、呆れた表情を向けるひよ里。





『これ、結構ええよ。カヤ、何ならあんたにも貸したろか』


『いいよ…、そんな格好わたしには絶対無理…』


『遠慮せんでもええやないの。真子きっと大喜びや』


『まァ、あのハゲなら目の色変えそうやな。ホンマ気色悪いわ』


『カヤが着てくれたら、あたしにとってもええ目の保養になるんやけどねぇ』



眼鏡の柄を持ち上げて怪しく笑うリサに背筋がぞくりと震える。
リサが言うと冗談に聞こえないから怖いんだよね…。





『そ、そんなに見たいなら、ひよ里にでも着てもらえば?』


『アホかっ、そんなもん絶対着るか!』


『ひよ里にはまだ早いわ。これを着こなすんは大人の女になってからやないと無理やね』


『何やとっ、ガキ扱いすんな!』





その後は、護廷十三隊の女性死神全員を自分と同じ死覇装にしたいというリサの野望を延々と聞かされるはめとなった。
本人曰く、次に開かれる女性死神協会の会議の議題にするつもりらしい。彼女が協会の会長なんて面倒な役回りを引き受けたのもきっとこのためだったんだろうと、この時ようやく気付いた。









『あ、もうこんな時間』


『ホンマやな、そろそろ戻るか』



あっという間に時間は過ぎ、気付けばもう休憩時間も終ろうとしている。急いで席を立って会計を済ませると店を出た。












『小春木副隊長』



隊舎に戻る道中、突然行く手を阻んだ相手を見てひよ里の顔が一気に険しくなっていく。





『何やねん。カヤに何か用なんか?』


『キレんな、ひよ里。事情も聞かずに相手怖がらせてどうするんや』








怖がる…?
ううん、違う。わたしの目に映る彼女はとても落ち着いているように見える。少なくとも今のわたしよりずっと。






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