『…なぁ真子、最近ちょっと気になってたんだけどよ。その子ちょくちょくお前んとこ通ってねえか?』


『…』



羅武の問い掛けに真子は無言のままだった。



『何かあるのか?どう考えたって七席が隊長格に頻繁に会いにいくのはおかしいだろ』


『…実際ンとこ、俺にもよお解らへんねん。急に来て昼メシ誘われたときはびっくりしたわ』





それもあの飲み会の帰り、あの子を送ってった日から毎日。昨日の夜かて、こっちの仕事が終わるんを待っとったみたいやった。
それをカヤに見られてもうて、結局誤解も解けとらへんし。





『真子、お前まさか…』


『そんなモン、適当に言うて断っとるわ』


『やっぱさっきローズが言ってたのって、お前のことなんじゃねえのか?』


『そんなん言われたかて、俺全く身に覚えあらへんし』





向こうがどういうつもりなんか解らん以上、ヘタに誘いに乗って勘違いされてもアレやしなァ。



しゃーけど、ややこしいことになったな…。





『まぁ、お前のことだから心配する必要はねえだろうが…目立つことするとすぐ広まるぜ?』


『せやな』


『…うちの副官、泣かせんのだけは勘弁してくれよな。じゃあ、俺も行くわ』



そんぐらいよお解っとる。
解っとるつもりやけど、どうにも上手いこといかへん。早いとこカヤとちゃんと話さなアカンな…。アイツがまともに取り合ってくれるかどうかが問題やけど。




『俺も戻るかァ…』



昨日一晩のうちに色々ありすぎてどっと疲れが増した気がした。



カヤのことも惣右介のことも、…それからあの南師っちゅー子のことも、考えなアカンことは山ほどあるわ。
あれこれ悩むんは俺の性に合うてへんのやけど、アイツに誤解されたまんまじゃ俺が困る。







ホンマ、難儀やなァ…。






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