『お〜い、リサちゃ〜ん。いつまでサボってる気だい?』



外へ出たきり全く戻る気配のないリサを待ち兼ねて、隊首室から京楽隊長が顔を覗かせた。





『ええ加減戻らんと、うちの隊長面倒やしそろそろ行くわ』



京楽隊長の顔をじろりと見てから小さく溜め息を吐き出す。リサの顔はまだまだ追求したりないといった表情で残念そうだったけれど。





『僕も一緒に行っていいかい?彼女の事、京楽さんにも紹介しておきたいし』


『じゃあ、私も戻るね。羅武に怒られちゃいそう』





リサ達と別れて歩き始めた所で何か背中に違和感を感じて後ろを振り返る。
するとやはり同じように振り返りこちらをじっと見つめる視線とぶつかった。








南師さん?
どうしたんだろう。
何か私に言いたい事でもあったのかな。



不思議に思い立ち止まると、それに気付いた彼女は慌てたように私に向かって頭を下げ、リサやローズと共に隊首室へと消えていった。





何だったんだろう、今の。





この時の私は少しひっかかるものを感じながらも、彼女がどういう意味をもってこちらを見ていたかなど大して気にもとめていなかった。





―――‐‐‐





『遅え!書類一枚届けるのにどんだけかかってるんだ』


『ごめん…』



案の定、七番隊の隊首室に戻ると真っ先に羅武の怒声が飛んだ。
怒っている所為なのか、彼の自慢のアフロヘアーがいつもより余計に逆立ってみえる。



『大体オマエはなぁ』


『そ、そういえばさ!向こうでローズに会って今度新しく昇進したって子を紹介されたよ』






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