頭を撫でられること数分

流石の麻裕子もキレ始めた





『・・・・・・何時までグリグリグリグリ人の頭を弄ってんだァァァァこのニコ中マヨラァァァァァァァ!!!!!!!!』





麻裕子からくり出されたアッパーが綺麗に土方にキマる





「おぶしっ!!!」



『見てみろ!?髪の毛ぐしゃぐしゃじゃねーか!!!ふざけんな!!新しいいやがらせか!?』



「・・・いや・・わりぃ・・・」





大人しく謝る土方に麻裕子は眉を寄せる





『・・・・?・・・マジなんか変。今日のシロー』





顎を押さえて仰向けに倒れている土方の顔を覗き込むと長い髪がサラリと土方の頬に垂れる
その感覚にゾクリと背中に快感が走った





『具合でも悪いのか?熱か?』





土方の前髪を掻きわけ額に手を当てる




土方は思わずその手を叩き落としてしまった







パシンと乾いた音が部屋に響く




「・・・あ・・・・」




『わ、悪い!迷惑だったな!仕事中に!あ、アッパーかましちゃってごめんな?』



バッと立ち上がり逃げる様にして部屋を出て行く麻裕子

土方の彼女の腕を掴もうとして出した手は空を切った






違げーよ
違げーんだよ
迷惑なんかじゃなくて・・・・
そうじゃなくて・・・・





自分でも説明が出来ない気持ちに戸惑いながら土方はさっきまで彼女の髪を撫でていた手を眺めた




触られると・・・
押さえが効かなそうだったんだよ・・・





情けなさそうに前髪をクシャリと掻きわけると開かれたままだった襖からぼーっと庭を眺めた

そこから見える空は雲1つなく真っ青な空が広がっていた










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