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チクタク  チクタク  チクタク


『・・ふぅー・・』



静かな部屋に時計の音と、煙草の煙を吐き出す音だけが響く


場所は副長室


部屋の真ん中の机を土方と摩由が向かい合って書類に筆を走らせる

お互いがヘビースモーカーな物で部屋の中は煙草の煙で白く立ち込めていた




「・・・そっちはあと何枚だ?」



『10枚、そのうちお前のサインが必要な物が3枚』


「こっちはアンタのサインが必要なのは1枚だけだ」


『そうか』




軽く会話をするがお互いの目線は書類から外れる事は無かった
黙々と作業をしながら紫煙を吐きだし部屋を煙で埋め尽くす作業が音も無く続く




いや、目線がずっと書類に言っている訳ではなかった




土方一人だけ、チラチラと何度も彼女の方を伺っていた






どうにかしてまた素顔を見れないものか・・・そしてあわよくば・・・。





そんな事を考えながら表向き素知らぬ顔をして書類を進めて行く




チクタク  チクタク  チクタク


ドク    ドク    ドク




時計の音と心臓の音がシンクロしていく

少し気分を落ち着かせるために吸う煙草はすでに灰皿に山を作っていた



『お前、煙草吸いすぎじゃないか?』



いきなり声をかけられて土方の持っている筆がピクンと字を歪ませた



「あ!?て、テメーだって吸いすぎだろ??」


『そうか?私は一日3箱で止めているぞ?』


「多いわ!!!胸張って言う事じゃねェだろ!!??」


『だから同じぐらい吸ってるお前に言われたくない』


「俺は一日多くても2箱だよ!!40本!!アンタは60本だろ!!全然違うわ!!」


『いや、吸いすぎだろ?煙草のパッケージにも書いてあるだろ?"喫煙は脳卒中の危険性を高めます"と、それにメンソールはインポになるらしいしな』


「何サラッと下ネタ折りこんでんの!?そりゃ都市伝説だろ!大体俺はメンソールじゃねェし!それにアンタは女なんだから将来子供産むためにあんま吸わねェほうがいいんじゃねェのか?」





ふーっと紫煙を吐きながらそういう土方に摩由はキョトン、とした顔をむけた
その拍子ぬけな顔に土方も何か変な事言ったか?と少し首を捻った






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