▼僕は食べる(細道)
08/22 11:08(0

※暗いし曽良くんのキャラ崩壊してるしちょっとグロい表現あります








食べる食べる食べる。
何を食べても「物足りない。」
どれほど食べても「物足りない。」
いつの間にかこうなってしまったのだ。

僕がマメな性格なせいか、幸い部屋はゴミ屋敷とは化さずに清潔なままだ。
しかし、僕の主要食事時間内には、この部屋は食べ物で埋め尽くされる。
そんな部屋に、ある人が僕を『説得』しにやってくる。


「曽良くん、曽良くんっ!!そんなに沢山食べたら病気になっちゃうよ!!もうやめようよ!」
ひたすら黙々と食べ物を体に詰め込む僕を、芭蕉さんは金切り声をあげながら揺さぶる。
僕は芭蕉さんに目もくれず、また何か食べ物を求めて立ち上がった。もちろん、口に飴を含みながら。
口寂しいのだ。
あれ、もうこんなに真っ暗だ。芭蕉さんはまだ明るい頃からこの部屋に勝手に入ってきてはいなかったか。
「曽良くん、ねえ!また食べ物なの?やめて、本当に、」
お願いだから…。
芭蕉さんの声はだんだんと暗闇に消え入っていった。
立ち上がった僕にすがる、骨と皮だけのような貧弱な腕。

ああ、
おいしそう。

「それ以上食べたら病気になっちゃうよ…。」
僕の口から何かが垂れるのがわかった。
その一部が芭蕉さんの顔に、ぬたりと落ちた。
芭蕉さんは本能的な危機を感じ取ったのだろう、僕から身を離した。
だが、僕はその腕をがしりと掴む。表皮のブツブツとした感触。
芭蕉さんのいる方から「ひい」と、声が聞こえた。
「もう僕は病気なのかもしれません。」

いただきます。


ああ、おいしい。おいしい。
ここにも食べ物がありましたよ、芭蕉さん。

返事をする者はない。



(2011/08/03)
――――――――――
夜中ってお腹すきますよねっていう((
最後本当は芭蕉さんはなんとか逃げて他の弟子に保護(?)されますが曽良くんが追いかけてきて色々云々みたいな感じにしようと思ったんですが、ちょっとやめておきました。



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