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「もうセミのおかげで身も心もボロボロです。さっきセミが私の方へ進撃してきたんで避けようと思って間違って赤司くんにタックルかましたら背負い投げされました。路上で。お尻が痛いです」
「そんなことより僕の腕を見ろ。これ、痣になったらどうするんだ」
「そんなことって!何言ってるんですか私のほうが重傷ですから!もう骨まで粉々な勢いなんですから!」
「骨まで粉々なのに歩いてる、なんて…!」
「言葉のあやってやつです!そんな迫真しなくても結構なので…マジ痛い。お尻の痛みを和らげてくれるような人に会いたいです」
「…あ、やあ真太郎」
「何をしているのだよ赤司、それとバカ」
「ああ緑間くんの繊細な指さばきで私のお尻の痛みを改善してくれるってわけですね!」
「尻?右頬のほうが痛そうに見えるのだよ」
「うん…そっちも痛いです。しかも驚くべきことにこの痛みの数々は全て同じ人間によって生み出されたものなんです!きゃあ、恐ろしいわ!」
「そんなことより見てくれ真太郎、僕の腕がこいつのセミタックルで折られた…」
「セミタックルって!私がセミみたいじゃないですか!しかもあれぐらいの衝撃で折れるって何?骨が発泡スチロールなんですか」
「いいや、僕の骨は純白のチョークさ」
「格好良くないですから」
「お前らもう帰るのだよ」
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