「花宮せんぱぁいあけましておめでとうございまぁす…」
「ハキハキ喋れ寝んなカス」
「新年早々こんな罵られるとは思いませんでした…。というかそもそも先輩が私に突然召集をかけるのが悪いとおもいます。私はもう寝るところでしたのに」
「先輩には新年明けたらすぐに直接挨拶しにくるのが礼儀だろーが」
「初耳ですそんな理不尽な制度」
「世の中ってのは理不尽なもんだよな…」
「名言みたいに言わないでください？先輩わざわざ私を呼んだんですからお年玉のひとつやふたつ用意してあるんですよね？」
「おまえ図々しいな」
「夜道寒かったんですから労ってください。おそば食べてないんですか？あっ、おせちあるなら食べます」
「かまぼこしかない」
「なんて質素なお正月ですか！食べます！」
「食べんのか…」
「しかし…けっこう、さびしい……年越しを、過ごして…たんですねぇ」
「かまぼこ食いながら喋んな」
「私のおうち来ますか？もれなくアットホームなお正月を過ごせます。かまぼこだけのお正月なんて悲しすぎますよ先輩」
「そのかまぼこも今おまえに食われたけどな。…お前自転車こげよ」
「えっ…まぁいいですけど」