結局犯人お前かよ!


>某月某日、呪われた旅館にて下着窃盗事件発生。

容疑者、被害者、証人、裁判官、探偵それぞれがロビーに集められ、尋問が開始された。

「大変だよ!大事件だよ!」

「この旅館いろいろな事故、事件、怪奇現象が発生するけど下着泥棒は初めてだよ!」

「女の子の下着をとるなんて許せないね。」

「最低ね、本当に。怪しいとしたらあの馬鹿ハンターね」

「ミミズ、ムカデ犯人説もありえるね。虫けら同士が結託して起こした事件じゃないのかい」

「なんだとクソババア!!俺は関係ねえだろうが!」

「そうだぞ!確かに名前の下着なら高く売れそうだが、俺は決して人道に反した行いはしない!」

「人じゃないけどね」

「大丈夫だよ名前ちゃん。泣くことないよ。きっとヘビ探偵が犯人を見つけてくれるよ」

>ヘビ大型種は泣いている名前を慰めている…

「そうね。無能の刑事に頼るよりはあの探偵ヘビに任せた方がいいわね」

「いいやこの無敗の刑事がいる手前探偵の存在など無に等しい。お嬢さん、私が事件を解決して見せよう」

「全然興味なさそうだったくせに、勝ち負けが関わると急にやる気になるタイプの刑事だよ!」

「無能ヘビは引っ込んでいたまえ。
ではまず名前さんに話を聞こう、どのタイミングで盗られたと気付いたんだ?」

『…温泉から上がったら…無くなっていました。夜の8時ごろです』

「人(+その他)が多すぎて主人公のセリフを『』で表すタイプの小説だよ!文章を書く能力のある人はこんなことしなくていいから羨ましいよ!」

「いきなり訳の分からないことを言わないでくれる?
その時私も名前と一緒にいたから知っているわ」

「では証人の話へ移ろう」

「同時にヘビ従業員も地下から出てきたわね。…そして脱衣所の方へ行った瞬間、誰かが逃げていくのを見たわ。」

「それは僕も見たよ!影が見えたからね。おそらく人間の影だったよ」

「ってあんたまた地下へサボりに行ってたのかい!人が足りなくて大変な時に!」

「ち…違うよ!地下の点検も立派な従業員の仕事だよ!」

「どこかに落としたって線はないのかな?」

「その点も踏まえて旅館内を捜索、聞き込み等ををしたが見つからなかった。そしてそれが高価なランジェリーショップのものであることと合わせて考えると下衆なものの犯行と考えて間違いありません」

「そうか!謎はとけた!」

「ええっもう犯人が分かったのかい?」

「ああ。無敗の刑事ともなればこのくらいは造作も無い」

「誰なのよ?」

「ズバリ、ヘビ大型種だ!その体格から人間に間違われても仕方ない。動機としては、まあ、腹が減っていたからそのままパクリというところだろうな」

「確かに食い意地張ってそうなこのデブヘビならやりそうだな」

「僕じゃないよ!そんなことしたら名前ちゃんが可哀想じゃないか」

「そんな言い訳いくらでも作れる。真実はひとつなのだ」

「その時間帯は温泉なんかいってないし、大体その時は自分の部屋でピザを食べてたよ」

「そうだよ。デリバリーを受けて届けたからね、確かだよ。覚えてるよ」

「シェフがアリバイを証明してくれたわね」

「アリバイ確認もなしにいきなりヘビを犯人扱いなんて、さすが無能の刑事ね」

「いつもよりもガバガバ推理すぎだろ」

「ぐっ…!おい、なんとか言え助手!犯人は大型種だろう!」

「…いえ、他にも容疑者がいますよ」

「誰なの?」

「もちろん、そこにいるハンターに決まっています」

「俺だと!?」

「そういえば穴を覗いて見た時ハンターはいなかったよ!」

「このとおりアリバイもありません。動機はまあ…売りさばく気でいたか、自身でいろいろ使おうとしたか…いずれにしても極刑です」

>粛清する

「グハッ」

「最低ねハンター」
「確かにハンターのお客さんならやりそうだよ」
「見損なったぞ」
「死んで詫びなさい!」
「ここまでのクズだと思わなかったよ」
「名前に謝れ!」
「犯人が見つかってよかったね名前ちゃん」
『うん…』
「ハンターが犯人になった途端誰も擁護しなくなったよ!」

「ふ、ふざけるな!俺じゃねえよ!」

「下着泥棒はみんなそういうんです。無敗の刑事、彼を逮捕した後100叩きの刑に処し、3枚に卸しましょう」

「む…ではハンターの犯行として逮捕する!その前に名前にブツを返したまえ」

「持ってねえよ!俺じゃないって言ってるだろ!」

「大丈夫ですよ名前さん。彼は手錠をつけた後鉄格子で監禁しますから」

「再犯防止のために大事ね」

「では彼が口を開くことによってこれ以上名前さんを不快にさせぬよう、猿ぐつわをしておきましょう」

「ま、待て…!実は、モゴモゴ」

「いつになく助手がハンターに厳しいよ!」

「では我々はこのへんで…」

「…ん?ヘビ探偵が何か言いたそうだよ」

>犯人はハンターではない!

「え!?違うの!?」

「アリバイもないし、ハンターで決まりじゃないのかい」

「じゃあ誰だよ犯人って」

>BLACKDoctor

「…なんだと?根拠はあるのかね?」

>BLACKDoctorは何故か名前の下着に詳しかった

「…それが何だと言うんだ?最初に言ったはずだ、旅館内を探した時に客や従業員にも聞いたと。そうすると名前さんにも当然色形状などを教えてもらっている」

>値段まで知ってるのはおかしい

「確かに、色は教えてもそれがいくらだったなんて普通言わないよ。ましてやそれが盗られたかもしれない時に」

「名前、そんなこと言ったの?」

『言ってない…ドクターさんに教えたのは色だけだよ
でも、高かったのは合ってる』

「疑惑が生まれだしたよ!」

>ハンターの猿ぐつわを解いて欲しい

「え?ハンターの?分かったよ」

「おい、待、」

「ぷはっ 口封じなんてしやがって…
俺は知っている!犯人はこの助手だ!」

「どういうことだい?」

「俺は昨日温泉の出入口でこいつと会った。声をかけたら慌てて逃げていったぞ。そしてその後俺の部屋に来て口止め料を渡してきたぜ!」

「ぐっ…馬鹿ハンターが自分の罪を認めず宣っているにすぎない。そんなもの証拠としては認められない」

「助手がますます怪しくなってきたよ!」

極めつけはこれだ!
>BLACKDoctorは名前のことが好きだった

『!?』

「な、なにを根拠に…」

「そういえば何回も名前の部屋に訪れていたわね」
「食事の時も何かと理由をつけて隣に座っていたね」
『…わたしのベットになぜか眼鏡が落ちてたことがあったような…すぐドクターさんに返したけど』
「名前から度々自分の部屋にある食べかけや使ったストローがなくなると相談を受けたが、それも助手の仕業の可能性が高いな」
「ミミズなんかに相談するなんて名前も相当切羽詰まってたんだね」
「そろそろ本当に殺すぞババア!!」
「今考えると本当に露骨だよ!」
「なんとか言いなさいよ!」

「わ、私が名前のことを好きなど…ヘビ探偵の憶測に過ぎない。そんな見えないものではなく、誰もが見える形で証拠を示してもらわないとな」

「これはもう名前の下着をBLACKDoctorが持っている証拠でもないとダメだよ」
「持ってたとしてもこの助手のことだから上手く隠してるわね…」
「名前の匂いでも辿れればなぁ…そんなこと出来るのなんて今旅館にいるわけ…」

1km以内なら探すことの出来る生き物といえば…
>警察犬

「警察犬?」

「そうか!本来は重度の危険物を探し出すのが使命だけど、警察犬の訓練を受けているのなら名前ちゃんの匂いを辿って下着を探せるはずだよ!」

「早速やってみましょう!」
「ぐ…や、やめろ…」
「走り出したよ!」
「追いかけるぞ!」

~vipルーム~

「…刑事の部屋に入っていったわね」

「まさかの刑事犯人路線だよ!」

「ち、違う!!よく見てみろ、警察犬は金庫の前で吠えているだろう!」

「金庫?」

「金庫は証拠品を入れておくためのものだが、助手が管理しているのだ。俺は番号を知らない」

「何してるんだい?早く開けるんだよ」

「く、クソ…こんなヘビ如きに…俺が…」

「…あっ!あったよ!!しかも丁寧にジップロックに保存してあるよ!」
「それ旅館の備品だよ。棚からひとつ無くなったと思ってたんだよ」
「…ナンバーロックは確か名前の誕生日ね…」
「ここまでくると気持ち悪い通り越してピュアだね」
「何言ってるんだ!!変態だろうが!」
「この旅館にハンター以上の変態が紛れ込んでいたわね」
「ていうかさっき犯人扱いしたやつ俺に謝れ!」

下着は無事名前に返され、BLACKDoctorにはヘビ探偵の粛清、ヘビ大型種の押しつぶし、どこからか出てきた超電磁ドリルの攻撃、女性からの冷ややかな目線、エトセトラエトセトラ、が行われた。

そんなことをされても彼に分け隔てなく接する名前は本当に心優しいと思う。

BLACKDoctorに好かれるのも無理はない。

彼もめげずに名前と交流を図っているようだが、名前親衛隊(女性客+ミミズ+旅館従業員一同+ゴーグル少年+全ヘビ客、つまりほぼ全員)によって上手くいっていないようだ。

刑事は助手の仕業だと分かっていたといって聞かないし、ハンターとムカデはツチノコ情報にだまされて罪のないヘビを殺しかけたが、未遂に終わり結局フルボッコにされ、ヤムチャと化した。

そしてその後も特にヘビが死んだり停電したり火事が起きたり旅館が爆発することもなく、平和に終わったとかなんとか。

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人(ヘビ)が多すぎて誰が喋ってるか分からなかったらごめんなさい。
あと部屋の位置とかうろ覚えなので適当です。あとで修正するかもしれないです。









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