きみと友達!


ある日、わたしは気が付いたらドアのない部屋にいました。

…あれ、わたしの部屋にいたはずなのにな。

「おいここは何処だ!?
俺は家にいたはずなんだが」

「あれ、ミミズさん
なんでここに?」

「俺が聞きてえわ!なんで名前がこんなとこいるんだよ」

「なんか、瞬間移動しちゃったみたいです」

「なんでそんな冷静なんだよ…
とにかく、部屋を探索するぞ!」

探索といっても本当になんもないし。
あ、時計がある。
その時計はタイマーのようで、30分間をカウントダウンしはじめた。
そしてその横に「00」と表示されてある小さいモニターがあった。

「ドアもないですね」

「あの時計はなんだ?」

「カウントダウンし始めましたね」

「これはゼロになると爆発するパターンのやつじゃないのか!?」

「どうやってここから出るんでしょう…」

あれ、わたしのポケットになにか入ってる。

「せっかくあのボロ旅館から脱出出来たと思ったらまたこんな羽目になるとは…」

「呪われてたのはミミズさんの方だったみたいですね」

「なんだと!
っていうかこういうのって条件を満たしたら出られるパターンのやつじゃないのか?」

壁になにか手がかりがあるかもしれない!

といってミミズさんは壁を調べ始める。
その間にわたしはいつの間にかポケットに入っていたであろう紙を見ることにした。

…『相手の好きなところを交互に20個叫ばないと出られない部屋』
30分以内に実行して下さい。…

「割とよくあるパターンのやつ…」

「名前、なんか言ったか?」

「何も言ってないですよ、壁に何かありましたか?」

「何も無い…それに、時計もその横の数字も意味が分からねえな」

「いきなりですけど、ミミズさんってわたしのこと好きですか?」

「は…は!?いきなり何言い出すんだよ!」

思ったより動揺し始めた。
持っていた紙をミミズさんに見せる。

「ん?…『相手の好きなところを交互に20個叫ばないと出られない部屋』…?」

「いつの間にかわたしのポケットに入ってました」

「割とよくあるパターンのやつじゃねーか!」

「その紙に書いてある30分間ってさっきカウントダウン始まりましたよね」

「ふざけんな!俺はそんな恥ずかしいことしないぞ」

「でもこれ交互にって書いてあるし、時間過ぎたらヤバイことになるんじゃないですかね…
ほら、四の五の言わずにやりましょうよ」

「ぐぐっ…」

時計はもう、20分を切っていてこのままグズグズしていたら危ないだろう。

「じゃあわたしから言いますね!
えっと…」

「考え込んでんじゃねぇ!」

「うーん…あっ身体の色がどピンク!」

「ふざけんな!」

ピコンっと音がして、「00」の数字が「01」に変わった。

「カウントされるのかよ!」

「あれそういうことだったんですね
さっミミズさんの番ですよ」

ミミズさんは腕組み(無いけど)をしている。

「…チッ」

「(わくわく)」

「…あーまぁ、俺にそこそこ従順」

「えー…」

ピコン

「文句あんのか?」

「別にいいですけどー
うーん、じゃあ、割と正論を言うところ!」

ピコン

「割とってなんだよ
…怖いもの知らずなところ」
「怒った顔が可愛い!」
「肌が白い」
「文句言いつつも遊んでくれるところ!」
「意外にも料理出来るところ」
「身体の、なんていうか…線?が可愛い!」
「可愛がるポイントキモすぎだろ…
…なんでも食うところ」
「ツッコミが鋭い!」
「まあ、顔は悪くねえと思う」
「字が意外に綺麗…」
「人間の癖に馴れ馴れしいとこ」
「さりげなくわたしを助けてくれる!」
「裏表が無くて単純」
「常識人!人じゃないけど…」
「俺に敬語を使うところ」
「実は優しい」
「いつも能天気で楽しそうなところ」

ピコンっと音がして、「20」に変わった。
と同時に何も無かったはずの壁にドアが出現した。

「あっ開きましたよ!」

「つ、疲れた…」

「良かったですねー出られて…
ミミズさんってわたしのことめっちゃ好きですね?」

「そ、そんなわけねえだろ!!」

「だって途中わたしのこと可愛いとか言ってましたよね
あっわたしも結構好きですよ」

「可愛いとは言ってないだろ!悪くねえって言ったんだよ!」

もともとの色がピンクだから、照れているのかは分からない。
ミミズさんは俺はもう帰るからな!といって出ていってしまった。

ミミズさんはめったに人とか褒めないし、なんだか今日は得した気分だ。

○○しないと出られない部屋最高!







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