プロローグ

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瞼を開けた。光が目に入ってくる…眩しい。

目を覚ますと、知らない部屋にいた。

白い壁に白いベッド、
…やけに清潔感のあるところに寝かされているようだ。

周りには知らない人がたくさんいる。

「!! 名字名前さん、目を覚まされました!!」

「大丈夫ですか?起き上がれますか?」

「名字さん、目を覚ましたのね…!!本当に良かった…」

「名前ちゃん、ここどこだか分かる!?」

「よ、良かった…本当に…良かった…」

いろいろな人から声を掛けられる。

頭にモヤがかかっているみたいに、何も思い出せない。

ぼーっとする。

声をかけてくれる人に心当たりはない。

「担当医を呼んできます!!」

しばらくして白衣を着た人が来て、私をいろいろ調べ始めた。

「名字さん、あなたは1ヶ月ほど意識が混濁していたのです。目を覚まされて本当に良かった」

お医者さんらしい人がそういうと、周りも安堵のため息を漏らす。

名字さん、名字さん、と言われる。

それは、誰の名前?

私に言われているようだが、聞き覚えのない名前だ。

そんなはずは無い。周りがこうして声をかけてくれてるのだから私の名前に決まってる。

私はそこで、名前どころか何故ここにいるのか、自分が目覚めるまでの記憶が無いことに気づいた。

何も思い出せない…

それに気付くと周りで声を掛けてくる得体の知れない人間に恐怖を感じ始めた。

(誰、誰?私は誰なの?この人たちは一体何?)

身体が震える。無意識にぎゅっと自分の身体を抱きしめた。

すると、1人の人間が私に手を伸ばしてきた。

「…っ」

怖い、やめて、私に触らないで…

反射的に目を瞑った時、

「名前!!!」

と声が聞こえた。

扉を乱暴に開け、誰かが勢いよく入ってきた。

そこに居たのは…





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