「それでね、アカギさんっていう不思議な人が送ってくれてね、」
夕食後、名前は弟の部屋で一緒にゲームをしていた。
その際に今日あった出来事を話す。
「その人なんだけど…前に会った男の子に似ててね、あっ弟と同じ学校らしいんだけど…」
「ま、待てよ姉ちゃん。その中学生のことはどうでもいいよ!それよりもさっき話した男!」
「アカギさんのこと?」
「こと?じゃねーよ!明らかヤバイやつだろそいつ!!俺らの住所知ってたり、話聞く限りなんか姉ちゃんのこと詳しそうじゃん!」
「…えぇ、そうかな?ただ表札知ってただけって言ってたよ」
「この辺りに家が何件あると思ってんだよ…姉ちゃん、そいつにストーカーされてんじゃないの。初対面だったんだよね?」
「うん…あ、でもなんとなく会った気がある気がして…でもそれは中学生の、」
「…それ、つけられてたりしたときにたまたま目に入ってたりしたんだろ。だから見覚えがあったんじゃねえの」
「えええ、飛躍しすぎじゃない?」
「そんなことない。大体姉ちゃんが楽観的すぎるんだよ」
「弟は邪心しすぎだと思うけどなー」
「とりあえず、そいつはヤバイ。そんな予感がする。なにかあってからじゃ遅いぞ。出来たら、今のうちに警察に相談を…」
「そんな…なんにも起こらないよ。アカギさん優しい人だったもん」
「被害に合うやつはみんなそういうんだよ…」
「…でも、警察に言うのとかはやりすぎだよ。勘違いだったらどうするの。それにアカギさんはこの辺りに住んでるって言ってたから、わたしのこと見かけてても不思議じゃないよ」
「うーん…用心に越したことはないのに…まず、姉ちゃんはもっと危機感を持たないと。そういうのは優しくするとつけ込まれるんだ。…あと、この事母さんにはともかく父さんには言わない方がいい。きっと卒倒する」
「言わないよ、弟も言わないでね?」
「…はぁ。大丈夫かよ…」