いつもと違う匂い、それにも緊張して、わりと堂々と部屋に入ったはずなのに急に僕まで恥ずかしくなった。
男二人でダブル。
フロントのお兄さんは表情一つ変えないで対応してくれた。その大きなベッドにおろされ、おろされるタイミングで遥が覆い被さった。ぽたりぽたりと毛先から垂れる水滴を視線で追う僕に、遥は艶かしい表情のままキスを落とした。
「っ、ん…ぁ、」
「りん」
手触りの良い、ツルツルしたシーツが背中を擦る。会える日は減って、それでも会うだけでもと、短い時間だけ会って、それでも充分幸せだったのに。こうして深く、触られると満たされたいと思ってしまう。
僕の体を押し上げるように、遥の腕が背中に回り足の間にその体が入り込んできた。もう裸の状態で、胸からお腹までぴたりと合わせるだけで達してしまいそうになる。
滑らかな遥の背中に指先を食い込ませると、鼻に遥の短い呼吸がぶつかった。重なった胸はお互いの鼓動が聞こえて、段々その音も一つになろうと重なっていくのが感じられる。
どっちが自分で、どっちが遥か。境目が分からなくなって、一つになって、ひどく心地よくて、舌と舌を絡めながら目を細めた。
「ふ、ぅ、ん…」
「は、ぁ…きもちい…」
「ん、」
「りんたろ、」
「うん」
「力抜いてね」
「、ん…ぅあ、」
部屋に入る前に買ったローションとゴムを袋から出した遥は、丁寧にそれを僕のお尻に垂らしてやわやわと窄まりを撫でた。自分でもそこがひくつくのが分かるほど、この行為の快感を知っている。痛くて苦しいより、ずっと。
そこを撫でながら、胸にいくつもキスをして、たまにキスマークをつけて、ゆっくりゆっくり体を暴かれていく。胸からお腹へ、そのキスがおへそを通りすぎて下腹部まで下がっていき、反応しきって硬くなったものに優しく触れた。
下腹の、少し柔らかい場所に唇を何度も押し付けられ、むず痒さが気持ち良いに変換される。
「ぁ、はる、か…んっ、」
「ナカ、あつっついね」
「う、ぅ…ん」
「痛く、ない?」
「ん…いた…く、な…」
「痛かったら、ちゃんと言ってね、俺、余裕ないから…」
「大丈夫、だよ…気持ち良い」
「うー…またそうやって!俺、ほんとに、余裕ないから」
そんなの僕だってない。
たっぷり時間をかけて、僕が痛くないようにそこを解して、何度も何度も確認できる遥の方がよっぽど余裕があるじゃないかと思えるくらい、僕にもそんなのはない。遥の長い指が、ナカを擦る度みっともなく声は出てしまうし、指が出ていけば引き留めるようにそこが締まる。
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