少し震えた手にが、ゆっくりそこを触ると、汗を握っていたそれはひやりとしていて肩が揺れてしまった。その肩にキスをした志乃は僕の前を触って指先を濡らした。ぬるぬるになっていることに気づいた途端また恥ずかしさが増し、強く目を閉じた。
「りんちゃん、やっぱりダメ、だから…」
「っ、はる、」
「足、もうちょっと閉じて」
「え、あっ…」
「、んっ」
ぬるりと、閉じた腿の間を割って入ってきた志乃のもの。熱くて、思わず離れそうになる足をぐっと閉ざされ、まるでセックスをしているみたいに遥は腰を動かす。ゆるゆると、本当に出入りしているみたいな熱量を感じ、前は遥の手に扱かれて声を抑えるのが苦しかった。
枕に顔を半分埋めて下唇を噛んでも、その隙間から情けない声が漏れていく。
「ふ、っう、ん…、ぁ…」
「りんちゃん、ん、」
「はぁ、は…はる、」
遥の先走りで濡れた腿全てが熱い。
「だ、だめ、もう、イきそう…」
「ん、うん、」
隣の部屋にはクラスメイトがいる。
まだ起きているかもしれない。声なんて聞こえないだろうけれど、もし聞こえていたらと押し殺していたはずのそれはいつの間にか簡単に口を割って出ていた。
卑猥な音をたてて動きが早くなるのと同時に、僕のものを扱く手も早くなった。このままではシーツを汚してしまう。
「りん、こっち、向いて…」
「ん、まっ…あ、だ…」
顔だけ後ろを向かされてキスをすると、コンドームをつけていない遥のものから熱い精が吐き出された。それは僕のお尻にぴたぴたと溢れ、僕も遥の手に射精してしまった。
「っ、はぁ…あ、はぁ、」
「ん、」
「ご、ごめ…りんちゃん…お尻…」
「拭けば、いいから…ちょっと待って…はぁ、」
胸がドキドキとうるさくてダメだ。
僕の背中に倒れ込んできた遥も、大きく胸が揺れている。同じように大きな鼓動が、自分のものと重なっていくのがひどく心地よくて、そのまま目を閉じた。
「遥、」
「ん?」
「手、洗ってきなよ」
「あっ、うん…でもりんちゃんも」
「まだ、動けない…」
遥はうーん、と少し考えてから素早くベッドから降りて手を洗いに行った。そのままてぃティッシュをもって戻ってくると、僕のお尻を綺麗に拭いて下着もズボンも穿かせてくれた。
それからシーツが汚れていないことを手探りで確認した遥は隣に横になって今度は正面から僕を抱き締めた。
「寝れそう?」
「うーん、うん」
「はは、どっち」
「緊張する。一緒に寝るの。でもりんちゃん抱き締めてるだけで気持ちいいからすぐ寝れそう」
そう、と返しながら志乃の首元に擦り寄ると同じ石鹸の匂いの奥に遥の匂いがあった。
「おやすみ」
「うん、おやすみ」
こんな風に、誰かに包み込まれて眠るのはとても久しぶりだった。まおの小さな体とも、母さんの華奢な体とも違うそれは、父さんみたいで、少し切なくなった。それでも遥の匂いと呼吸に意識はすぐに薄れ、朝まで深い眠りにつくことが出来た。
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