「り、りん…」

遥の匂いが染み付いた布団で、遥の体温に包まれて、僕は…

「っ、ん」

上半身を裸にされた僕は同じように上を脱いだ遥に覆い被さられて体を暴かれていく。頬を撫でていた手がゆっくり首元におりていき、胸を擦って硬いそこを何度も何度も揉む。そのうちに柔らかくなってしまうような気がするほど。
吐く息が遥の体にぶつかって自分に返ってくる。熱くて、目眩がしそうな自分の吐息は、きっと遥にもバレている。隠しようがない。乳首を散々弄られたかと思えば、欲情しきった顔の遥が体を起こして少し下にずれ、そこにキスを落とした。

「はる、」

ちゅっちゅと音をたてながら、遥は赤い痕を点々と僕の体に残していく。たぶん、すぐに消えるだろう。小さな、とても遠慮がちなキスマークだ。胸からお腹へ唇を這わせ、吸い付いて、情けない顔で僕を見上げた。興奮した火傷しそうに熱い息が腹部を掠めていく感覚に背中がぞくりと震える。

「さ、触る、ね」

「……ん、」

ズボンをさげようとする遥に従い腰を浮かせると、その隙間に遥の膝が入り恥ずかしいことに自分のものが丸見えになってしまった。パンツ越しでも分かる、かたくなってしまったそこをやわやわと撫でられる。
遥に触られる気持ち良さを知ってしまった体は、自分でも驚くほど素直に下着を取り去る遥を受け入れた。一度触りあったとは言え、恥ずかしさは拭えない。直視できなくて腕で顔を隠すと「りん」と甘い声が降ってきた。

「ちょっと、待って」

僕の腕を退かして額にキスしたあと、遥はベッド下の引き出しへ手を伸ばした。背が高くて手足が長いというのは見た目が良いのにプラスして便利だ。金髪を揺らし、ガサガサとビニール袋の擦れる音を響かせてから出てきたのはいかにもな四角い箱と、半透明のボトル。

「あ…」

初めてお互いに触れた日。その時ぼんやり考えた“セックス”が、今とてもリアルになる。あの日遥が断念した原因が今ここにある、ということは今度は出来る、ということだ。
コンドームの箱を開け、中から一つ薄いピンク色のそれを取り出す遥の手は少し震えている。それを指につけ、反対の手でボトルを傾けローションを垂らす。手と、僕のお尻に。



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