「りん〜本当に行っちゃうの」

「明日からね」

「んー…」

「あ、そっか、再試の勉強…」

「それはいい…」

「良くないよ。…そうだ、志乃も一緒にいく?生徒会室」

「馬鹿、遥がそんなとこ行くわけ─」

「行く!」

「じゃあ、机借りて志乃はそこで勉強しよう」

「うん、そうする」

大人しく勉強していてくれれば、森嶋も他の生徒会役員さんも怯えることはないはず…いや、どうだろう、最近の自分の感覚ではそんな気がするけど、周りからしたら迷惑な話かもしれない…

「ん、頑張ろ」

「……いや、違うだろ」

樹くんの言う通り…そもそもそういうことじゃない…でも志乃のこの感じ…それでこの最上級の不機嫌が治るならまあ…良しとしたい。

「あーはいはい、分かった、それに関してはもう勝手にしろ。つーか、副会長と仲良かったんだな」

「森嶋とは、去年同じクラスだったから」

「へぇ。生徒会の手伝い頼んでくるくらいだからよっぽど信頼されてんだな」

「はは、そうだったら嬉しいけど」

「も〜!樹うるさい、あっちいって」

「はあ?そんなに喋ってないだろ」

「うるさいうるさい」

よくなったはずの機嫌がまた悪くなり、駄々っ子のように僕に抱きついてぐりぐりと肩に顔を埋める志乃。くるくると変わる表情にあきれながら、それでもその子供みたいなところが可愛くて。ときめいている、なんて…きっと気のせいだ。



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