慈半とシドのぬるいエロ


「いやっ本当にいいですから!本当に、本当に恥ずかしいので!」
「なんば今更恥ずかしがっとるとだ、お前シンベエの中におったとだろ?ならヤッとるやんワシと。つーかワシが土方さんとヤッとるのも知っとるだろうしよ」
「それとこれとは別ですし!それにシンベエはシンベエでした!俺じゃありません!」
「そうなん?じゃあラプ魔ちゃんの童貞はワシがいただきまーす」
慈半はそのままベッドに男を放り投げると、羽織をその場に脱ぎ捨てて、そして自分の帯に手を掛けた。
「ななななななななんでそもそもそういう展開になってるんですか!?俺別に貴女とそういう関係になりたいわけじゃないんですけど!?」
「は?ワシとセックスするの嫌なん?」
「嫌じゃないですけど!!」
男は声を荒げる。だが、ハッとしてそのまま口を閉じた。掛け布団をかぶって、体を隠す。
「嫌じゃないけど、なん?」
慈半は構わず着物を脱いで、そうして男へと近く。すぐに裸体になった。長い髪が、肌にまとわりつく。
慈半を拒絶出来ない男は、ううとか、ああとか言いながら目を固く閉じた。掛け布団を奪われる。
「これは服か?体か?」
男の首から下を覆っている黒い布…タートルネックに見えたが、少し違う。着ているというよりは、張り付いているという感じだ。
「う、薄皮一枚みたいなものです…」
「感覚はあるんか?」
「ないです、高濃度のバリアになってるので」
男の首を手の甲で撫で、そしてそのままするすると胸元を触る。だが、男はくすぐったがる素振りも見せなかった。
「じゃあそれ脱いで」
「………あ、あのぅ、本当に…する、んですか…?」
興味がないわけではない。むしろ、慈半が性行為によってかなりの快楽を得ていることは知っている。だからこそ、ラプラスの悪魔はそれが少しだけ怖かった。
「しよう?」
慈半が小首を傾げる。
「うぐぐ!そ、そもそもどうして、俺なんかを…そんな……俺は、バケモノですよ?」
「ちんこも人外っぽいん?」
「この姿はヒト型なので普通の男性器です!」
慌てて弁解すると、慈半がそこをそっと撫で始めた。どこを触ってるんですか!?と怒鳴れば、耳元に口を寄せてささやく。
「どこ触っとるんかなぁ…ん?」
「、あ…」
「…ははーん?露出しとる肌はちゃんと感じるんやな?」
そのまま慈半は、男の顎をくいっとあげて唇を奪った。
「んんんん~!」
男は軽く抵抗を見せる。その両手首を掴むと、慈半はそのままベッドに縫い付けた。腰に乗り上げる。
「ほら、舌出せ?」
「は、ぁ…あっ、した?こう…?」
男は言われるがまま、べーっと舌を出した。慈半がそこに自分の舌を絡める。ねたねたと二匹の粘膜の塊が愛撫しあっていた。
男は思わず目をとろけさせる。気持ちがいい。ぬるく、そして彼女の香りが自分を支配する。そっと慈半の腰を掴んで、そうして引き寄せた。生肌がくっつく。体温が欲しい。そう思って、男は自分の黒を脱ぎ始めた。ぱりぱりぱり、と脱皮するみたいに、背中に一筋の亀裂が入る。そこから白い肌が生まれた。慈半はすかさずその皮に指を入れて、男の肌を撫でた。
「ん、んん…!は、はぁッ…!あ、やだ…くすぐった、い…」
「うん、くすぐりよる」
「やめ、て…」
「ほんとにやめて欲しかったら、ちゃんと言いなっせ」
慈半は優しく言って、そのまま男の下半身の黒を剥がしていく。寝転がっている男は、それでも抵抗は弱い。だが、自分がまっさらになった時はそのままそこで縮こまった。胎児のように丸々と。長い白髪が、男の体を覆い隠した。
「よしよし、とろかしてやるわ…お前はされるがままになっときんさいね」
「ぁ、や…」
足首を噛んで、そうして全身をマッサージするかのように両手で肌を撫でていく。男の白い肌が、だんだんと桃色を帯びる。
「あ、ゥ…っ」
ときおり口づけを落とせば、食いしばった口から吐息が漏れた。へそや脇腹を舐めると、やんわりと手で制されるが、その手を食めばびっくりして引っ込んだ。引っ込んだ手を自分の髪で捕まえて、そのまま縛り上げる慈半。
「あら、便利かねコレ」
「そ、そんなことまでできるようになったんですか…!?」
「なんかねぇ、想像したら出来る。…あっこれもしかして性別、いや変幻自在か!?」
慈半はぱあっと顔を輝かせると、わちゃわちゃと髪を体にくっつけ始めた。
「おぉ~出来るやん!」
その股間には、立派なモノがついている。胸も筋肉だ。腕や腰、そして足まで男のそれだ。骨格まで完璧に男に変身している。
「ヒッ何でそんなに簡単に出来ちゃうんですか!?貴女人間だったんですよね!?人間でしたよね!?」
「まぁ散々見てきたし散々挿入いれられたし…。あ、せや。どげんす?お前がこんまま受け身になるんやったら、ワシ男としてお前抱きてえんだけど」
「へえ!?な、な、なんで!?あっいや慈半クンがそういう性癖なのは知ってますけど…知ってますけどぉ…」
「後ろが怖いんやったら、お前も女になっちまえばええやん。出来るじゃろ」
「出来る…けど…」
「ん?」
慈半はたくましい腕で、男を抱き上げて自分の膝の上に乗せた。そそり立ったそれを、くっつけ合う。
「う、んぅ…っ!だ、だめ…ですって、俺…わ、わたし…」
顔を真っ赤にして、男は慈半から目をそらす。それを許さない慈半は、男の口に舌を突っ込んで激しく口内を犯した。
「そ、れとも…?最初は男として童貞、捨てたい?」
息継ぎのついでに、慈半は尋ねる。
男は必死に呼吸をしながら、小さく頷いた。
「ァ、でも…でも……」
「でも?」
目に涙を溜めて、おどおどと言葉をつむぐ男を愛おしげに慈半は撫でる。長くてふんわりとした触り心地の髪。
「じ、慈半クンが…したいなら、その……いいですよ…」
「わかったわかった、どっちもやろうな。百合も薔薇もノーマルもやろ」
「!?そ、そんなに!?一度にはしないですよね!?ね!?」
「どーじゃろ」
に、と慈半が笑いながら、そうして女の体に戻った。
「つーかお前の初期設定のこの体よ。ふざけんな、なんで少し痩せてんだ?身長も小せえし、胸も小せえ。ギリ挟めるかなぁってレベルやんけ」
「そ、それは………だって、慈半クン…胸はなんかその、揺れて、痛そうだし…」
「まぁ、重かったけんこれでええけどよ」
慈半は話しながら、ゆっくりと腰を下ろす。男の先端がそこに触れた時、ふたりは同時に小さく喘いだ。


「可愛いったらありゃしねえ、愛してる愛してるって泣きながら言うんだからよ」
慈半は煙管をなぶりながら、隣でベッドに伏している男の背中を撫でる。未だ快楽をひきずり、その刺激だけで彼からは艶やかな吐息が出た。
「あーらら、ダメだなオイ。快楽堕ちしちゃったあ?ラプ魔ちゃんは…」
「や、ァ…!あぁあっ、く」
噛み跡だらけの首に、強く吸い付く慈半。それだけで男が声を上げる。男、とは言うがその体は女体化している。ほんのり小柄だ。
「ほら、またおまんこしてやろうか?ん?おねだりしてみ?」
にやにやと笑いながら、慈半は男を抱きしめる。ごろり、と体を転がして仰向けにした。その隣に密着して、枕に片肘をつく。
「ァ、も…もう、むり、です…でき、なひ…!」
「そうなん、そりゃあ残念だわ」
ちゅ、と優しく頬に口づけをする。そのままこめかみ、前髪の生え際、耳に優しく口づけを落とした。
それにさえ、幸せそうに喘ぎながら思わず慈半の体を抱き締める。
「すき、好き…あいしてる…」
「うんうん、ワシも好き。愛しとうよ。お前はワシの、魂の伴侶やからなぁ…」
軽い口調に聞こえたが、慈半にしてみれば本気の言葉だった。あの日から自分とずっと一緒に居たこの男に、自分を守り続けた男に、慈半は好きにならないわけがない。自分に尽くし、自分だけを愛しているこの男。それは慈半にとって初めてのタイプだった。ペットのような可愛さ、兄の面影はもうない。むしろ弟のような感じがする。慈半は可愛いものが好きだ。
「ずっと一緒におろうな」
慈半はそのまま、ラプラスの悪魔を抱いて眠った。




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