※R15くらい


一方通行の白い手のひらに触れられた箇所が、ひどく熱い。耳に、首筋、太腿、足、膝の裏。ふわふわ優しい気持ちとは違う、胸の中から炎が噴き出すかのような熱のこもった何か。むずむずと溢れ出す甘い痺れ。
次に一方通行は喉元にキスを落とす。無防備な人間の弱点への愛撫は、美琴の体が反射的にびくりと震わせた。その反応が面白かったのか、一方通行は首筋に顔をうずめた。

「ん、くすぐった…」
「オマエすげェいい匂いする」
「そりゃ、シャワー浴びたばっかだし…」
「男はそォもいかねェよ」

細い指は首筋から鎖骨へとすべり、洋服の上から慎ましい乳房をなぞり、美琴の制服のブラウスのボタンを外しにかかる。
美琴はひっと小さな悲鳴をあげて、一方通行の胸板を押して、彼の体を遠ざける。しかし、体は離れたが、その指先はまだ美琴の胸に触れたままだ。

「む、胸はいいから!」
「あァ?…何だよ、まだそのちっせェ胸気にしてンのかよ」
「!!!!」
「…しかし、いくら待っても成長しねェだろこれは」
「アンタ…ほんと最低!デリカシーゼロ!!」
「確か、オマエ遺伝子的にはかなり恵まれてンだろ。打ち止めもそこそこ」
「うっさい!!ロリコン!!もおお、だから胸はいいって言ったじゃない!!最低!サイテ―!!!」

嫌よ嫌よ暴れ出す美琴に一方通行は面倒臭そうにため息を吐いた。そして、美琴、と、甘い声で耳もとで囁く。

「な、何言っても、許さないもん…」

頑なに膨れっ面のままの美琴に一方通行は思わず苦笑をこぼした。

「このままでいい」
「へ…?」
「このままのオマエが、一番だ」

幻聴のように、愛しい声が耳の端をかすめた。
美琴は火照る頬を緩ませ、目を閉じて、その暖かさに酔いしれる。

「…よくないわよ、バカ」

愛しさでのばした両の手で一方通行の頬をくるみこむ。そのまま近づいて、そっと、唇を重ねた。


/息を吐くように飲み込むように、しあわせなんだとあなたに告げよう