19 | ナノ

 それじゃあ、最後の子も自己紹介してほしいな」
「上村桜です……。クラリネットは中学生のころから吹いています。わ、私も楽器は持っているのですが高校でも使っていいのでしょうか?」
 不安そうに聞いてくる彼女に問題ないよと先輩は返答した。
「楽器のこととかここはそういった決まりはないから。楽器店で購入したのだよね」
「はい……。楽器店で高校でも使い続けられるクラリネットを探して購入しました。もちろん店員さんにも相談しました」
「それなら問題ないかと思う。林君は?」
「別に問題ないと思います。それと先輩、時間は大丈夫でしょうか?」
「え、もうそんな時間?」
「あかりちゃん他のパートはもう帰える支度をしているよ」
「えっ、早く言ってよ。私から簡単に、高橋あかりです。クラリネットのパートリーダーをしています。クラリネットは高校から始めたので特に大したことを教えられるわけではありません。楽器のことはこっちの2人に聞いてね」
「勝手に決めないで……。3年の樋口奏です。パートリーダーが何かおかしなことをしていたら私に報告してください。それじゃあ次は林君」
 また、先輩が突拍子もない発言をしていた。中学のころから一緒だったという樋口先輩はそんな彼女の行動に諦念しているのか淡々と自己紹介をした。そんなこと言わないでよという奏先輩の非難の声も無視し、樋口先輩は僕に自己紹介をするように促した。
「2年の林悠真です。僕も決して詳しい人間ではないのでわからないことは教えられる範囲であれば教えます。教えられそうにない部分は答えが載っていそうな資料探しを手伝います。1年と少しよろしくお願いします」
 それじゃあ7月のコンクールまでこのメンバーで頑張ろー、という最後の締めとしては締まりきらないような間延びした声で先輩が挨拶し、クラリネットパート初めての顔合わせは終わった。


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