18 | ナノ
6時を過ぎたころ樋口先輩から戻ってきてと言われ僕は第二音楽室へと戻ってきた。今日は担当楽器を決めて終了という流れなのか、ほかの2年生はすでに片づけを始めていた。
「今日はもう紹介して終わりだから1年生が来るまでに片付け済ませて」
「わかりました。楽器体験の楽器、片づけてくださったのですか?」
先輩は縦に首を振り肯定する。僕がありがとうございますとお礼を言うと、お礼は別にいいから早く片付けてと言われた。
「高橋先輩は1年生のところですか?」
高橋先輩がいないことに気づき僕は先輩に聞いた。
「パートリーダー全員で楽器決まったことを伝えに行った。あと2分もすれば戻ってくると思うから早くして」
先輩に急かされながら僕は楽器ケースの蓋を閉めた。
先輩が3人の生徒を連れて戻ってきたのはそれからちょうど2分が経過した頃だ。
「今日からクラリネットパートに所属する3人でーす! 時間があまりないから簡単に名前と何か一言自己紹介していってね」
連れてきた先輩以外どう反応をすればいいのかわからず何とも言えない顔をしていた。
「あ、じゃあ僕から自己紹介しますね! 江原玲於奈といいます。女みたいな名前だけど男です。先輩方がクラリネットを演奏しているのを見て入部を決めました!」
それを聞いた先輩はにこにこと笑っていた。
「じゃあ次、自己紹介してくれるのはどっちかな?」
「それじゃあ私から。村瀬璃子と申します。クラリネットは小学校のクラブ活動から吹いています。ええと、クラリネットは自分のものがあるのですが、それ使っても問題ないでしょうか?」
彼女は自分が持っているクラリネットのブランド名と型番号を言った。妹が持っているものと同じ海外メーカーのもので結構な金額のするものだ。樋口先輩もそのクラリネットを知っていたようで問題ないから次からそれを使ってと話した。
「へー、璃子ちゃん楽器買っているんだ。」
いきなり名前で呼ばれたことに彼女は驚いたが明日持ってきますと返事をし自己紹介は終了した。
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