腐の王参戦、直前スペサル

正十字学園の校庭で呼び止められた。
「若君」
「・・・その呼び方をするのは・・・」
燐は振り返るのがいやだなーと思いながらも、呼ばれた事で足を止めてしまったこともあり、渋々声を振り返った。
白に近い短髪、姿勢の良い長身の青年。・・・同学年だが、憑依した悪魔の雰囲気を纏うと年上の落ち着いた男に見える。
「お久しぶりでございます、若君」
「っつうか、お前。白鳥から出てったんじゃねぇのかよ」
燐は青い瞳を眇めて睨みつける。
「はて、そうようなことを約しましたでしょうか?」
記憶にございませんと紅い瞳が言っている。
「ちっ。でもよ、お前、『腐の王』なんだろう?」
「はい」
「それって、凄い悪魔なんだよな?」
「はて、それほどのものでもございませんよ」
にやりと嗤う白鳥の顔は整っているだけに格好いい。
そして、それが謙遜であることも燐はなんとなく理解した。
「それがなんでメフィス・・・」
燐の唇に人差し指が触れている。嫣然と笑みながら白鳥が言う。
「申し訳ございません、若君。それ以上はおっしゃいますな。貴方の唇が穢れる」
「・・・あー、・・アスタロト?」
「なんでございましょうか?若君」
至福といった表情で答える。その物腰は良く漫画とかで見る執事のようだ。
「白鳥はいるのか?」
「・・おります。ここに」
右手を胸に当てる。
「で、俺に何の用だよ?」
「お昼をご一緒しようと思いました」
「俺、これから『奥村屋』の用意なんだけど」
「奥村屋・・でございますか?」
「定食屋やってんだ。・・・お前も来るか?」
「はい」
『嘆かわしい、あやつは若君に何をさせているのか・・・。はやくこの方を虚無界へとお連れせねば・・・』アスタロトは短く溜息をつく。
バトルロイヤル勃発、30分前のこと。

2011/07/13

コメント:
いや、本当にノリですみません。本当にアスタロトは放蕩者がお嫌いです。
燐は八候王のアイドルです(笑)

[ 23/48 ]

[*prev] [next#]
[top]



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -