はじめの一歩
(※暗殺者パロ)
ひとのころしかたをおしえてください。
色褪せた世界はとても綺麗だ。
残る手の痺れを道連れに全てが色を失ってしまえば良い。
硝煙の臭いが立ち込める中、酷くはっきりとした思考でそんな事を思う。
手の痺れはやがて震えに変わり、己の犯した罪を嘲笑う。
不様にも止まらない震えが忌々しい。
こんな物は偽善にすらならないと自分が一番理解してると言うのに。
いつの間にか何を守りたいのかも見えなくなって、奪う事ばかり覚えてしまった。
握った物は、その引き金は酷く重くて、背筋に冷たい物が走った。
それでも知ってしまった。
重く感じた引き金は余りに軽過ぎる。
(引いた引き金、硝煙の臭いは恐怖を加速させ、飛び散る赤い温かな、それは罪を鮮やかに彩る)
「アンタの銃の引き金は重いかい?」
「いや、軽過ぎる」
「ふーん、」
「………何だ」
「いやね、アンタみたいなのが一番綺麗に染まるんだよ」
こっち側にな、と男は笑った。
赤=暗殺者
黄=仲介人
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