いつか言える日が来たら(K+RAMI)


嬉しい時に笑う事を、悲しい時に涙を溢す事を、所詮は人間の真似事だと笑わないで。
「この感情が造られたものでも、胸の痛みは真実だわ」
そっと触れた指先を不器用に握り返してくれる貴方が好き。

好 き よ 、 好 き 、 大 好 き よ 。

(愛してる、は子供な私には似合わない)



夢の中でも僕は無力だ(N+D)


抱き締める腕もなくて、自分の無力さを思い知らされる。
悲しみを拭う術も知らない僕は、唯、君と肩を寄せ合った。
嗚咽を飲み下す度に伝わる肩の震え。
大丈夫、と繰り返す掠れ声が胸を締め付ける。
君を抱き締めるには足らない、僕の両腕。

無 力 だ け れ ど 傍 に い さ せ て 。

(せめて君が弱音の一つも吐いてくれたなら、僕は)



大嫌いで大好きなキミ(R+D)


ボクの中に蔓延るものをキミは柔く受け止めるんだね。
否定するでも肯定するでもなく、唯、頭を撫でるんだね。
柔く柔く、キミはボクの世界を溶かすんだね。
無意識の内に溢れる笑みを向けてくれるんだね。
たまに凄く嫌いになる。
けど、結局は好き。
大好きだよ。

キ ミ は 特 別 。

(この感情にしっくり来る言葉なんてこの世界には存在しないよ!)



考えている事がある(E+W)


綺麗過ぎるから目眩がして、触れると震える肩を抱き締める事で誤魔化した。
バランスを崩した世界の中で、自分の立ち位置すらも曖昧になって行く。
抱き締めるだけでは足りないと感じながらも、小さな身体を閉じ込める腕の力を強める事しか出来ない。
「頼むから、頼むから何処にも行くな」

感 情 と 言 う も の が あ る 理 由 。

(お前の事となると声だって不様に震える様に出来てる)



dislike(D+W)


彼の手に握られた刃物が妙に鈍く光るものだから、それを慌てて制止した。
刃物を取り上げた私の慌てように彼は目を瞬かせ、少しの間を置いて肩を震わせて笑った。
「王、僕は髪を切ろうとしただけだよ」
「………え?」
薄暗い部屋の中、月明かりを頼りに辺りを見回す。
既に切り落とされた一部がベッドの上に無惨に散らばり、白のシーツを彩っていた。
それは月明かりを吸い取った様な髪ではなく、彼の中に宿った闇を仄めかす暗さを孕んだ青い髪。
「触れられたと思ったら気持ち悪くてさ、我慢出来なくて」
誰に、とは彼は口にしなかった。

(闇色の瞳を細める様は、まるで微笑を浮かべているかの様にも見えた)


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